日に日に涼しくなり、オシャレを楽しめる秋がやってきました。
でも、「しまってあった洋服に毛玉がたくさん付いてる!」ということもよくあることですよね。
特に、綿とポリエステルの混紡繊維のものは毛玉が付きやすい生地の1つで、毛玉だらけになればオシャレな洋服も台無しです。
今回は、そんな厄介な毛玉を簡単に取る方法などをご紹介していきます。
毛玉取りに苦心されている方、ぜひ参考にしてみて下さい。
綿とはどういう素材?
毛玉が付きやすいのが、綿とポリエステルの混紡繊維です。
まずは、綿という素材について見ていきましょう。
綿は、大昔から人間の生活に欠かせないものでした。
紀元前5000年のメキシコの遺跡から綿の種が見つかっており、古くから綿栽培が行われていました。
その後、紀元前2500年〜同1500年のモヘンジョダロ遺跡(インド)からは綿布も発掘されており、綿織物が作られていたことが分かります。
現在では、世界60カ国以上で綿栽培が行われており、身近な素材となっています。
このように、大昔から現在にいたるまで、人間の生活の中に深く関わっているのが綿です。
どのような特徴を持っているのでしょうか?
①肌触りが良い
綿という素材はとても繊細であるため、肌への刺激が少なく、気持ち良く着られます。
②通気性が良い
綿は吸水性が高いという特性を持つため、内側の水分を吸収し外へと発散してくれるので、夏でも涼しく着られます。
③熱伝導率が低い
綿の繊維の中心部は空洞になっているため、熱伝導率が低くなっています。
そのため、冬でも体温が放出されにくく、温かく着られます。
④生地が傷みにくい
繊維の強度が強いため、洗濯や漂白に強いです。
⑤熱に強い
綿の繊維は短く熱にも強いため、摩擦が起きても毛玉ができにくくなっています。
⑥シワになったり、縮んだりする
天然の素材のため、洗濯するとシワになってしまったり、縮んだりすることもあります。
⑦黄ばみやすい
綿という素材は染色しやすいため、汗を吸収して黄ばみやすくなります。
ポリエステルとはどんな素材?
では、次にポリエステルについて見ていきましょう。
綿が天然の繊維であるのに対し、人間が人工的に作った化学繊維の1つがポリエステル繊維です。
これは、1953年に米国のデュポン社が製造を開始したことから始まります。
その後、急速に普及し、現在ではアクリル繊維と並んで、生産量・使用量が多い繊維になります。
では、どんな特徴があるのでしょうか?
①耐久性が高い
強度が強いため、傷みにくく洗濯に強い生地です。
また、型崩れもしにくいので、洋服が長持ちします。
②熱に強い
熱や摩擦に強いため、シワになりにくい素材です。
シワになったとしても、すぐ回復します。
③石油由来の製品である
石油由来の製品のため、虫が付かず、保管が簡単です。
④吸水性が低い
このため、乾きやすいというメリットがあります。
⑤毛玉や静電気が起きやすい
冬場は特に静電気が起きやすいため、注意が必要です。
また、毛玉ができると、繊維の表面に留まってしまい取れにくいです。
そのため、こまめに毛玉を取る必要があります。
綿とポリエステルの混紡繊維はどんな特徴がある?
上記で、綿とポリエステルの特徴を見てきましたが、それぞれメリット・デメリットがありました。
では、Tシャツやブラウス、ジャケットなどいろんな洋服の素材として最近よく使われている、綿とポリエステルの混紡繊維はどんな特徴があるのでしょうか?
綿とポリエステルの混紡繊維は、それぞれの繊維の割合によっても特徴が異なってきます。
ここでは、主な特徴だけご紹介しましょう。
①強度が強い
上記でもご紹介したように、綿とポリエステルは両方とも強度が強い繊維です。
そのため、混紡繊維ではより強度が強くなるため、ご家庭での洗濯も簡単です。
②速乾性と吸湿性を兼ね備えている
ポリエステルの速乾性・綿の吸湿性、という2つの繊維のメリットを組み合わせて、より使いやすい繊維にしています。
③シワになりにくい
ポリエステルを入れることで、綿単独の生地よりも、シワになりにくいという特徴があります。
「綿のような風合いがいいんだけれどシワになるのが心配」という方におすすめです。
④毛玉はできやすい
これは、混紡しているポリエステルの影響です。
上記でもご紹介したように、ポリエステルといった化学繊維は強度が強いため、表面上で繊維が絡み合って毛玉ができやすくなっています。
そのため、綿と混紡していても、毛玉はできやすいというデメリットがあります。
毛玉はなぜできる?
ここまで、綿とポリエステル、両方の混紡繊維について見てきましたが、そもそもなぜ毛玉はできてしまうのでしょうか?
毛玉というのはとても厄介なものです。
オシャレな洋服も毛玉が付いてしまうと、せっかくのオシャレ感も台無しです。
できれば、毛玉は付けたくないですよね?
では、毛玉の原因を見ていきましょう。
毛玉ができる原因はたった1つ、摩擦です。
繊維同士が摩擦されることにより静電気が発生し、細かい繊維が絡まり合い玉になります。
これが、毛玉です。
この摩擦はあらゆる場面で発生します。
洗濯の時に衣服同士がこすれたり、洋服を着ている時に腕の部分や脇の部分がこすれたり、また、座った時に椅子や肘掛けの部分に当たったりすることで、摩擦が生じます。
このように、日常生活を送っていると、毛玉はいつでもできてしまうものです。
「毛玉は嫌だ!」と思っていても、なかなか避けて通ることはできないのが本当に困ったところです。
綿とポリエステルの混紡繊維、どうやって毛玉を取る?
日常生活の中で必然的にできる、綿とポリエステルの混紡繊維の毛玉。
では、どうやって取ればよいのでしょうか?
簡単な方法を見ていきましょう。
●毛玉取り器を使う
毛玉を取る方法としておすすめなのが毛玉取り器です。
今では、100円ショップでも売られていますよね。
しかし、おすすめなのは2000〜3000円台のものです。
生地を傷めずに毛玉を取れるのでおすすめです。
では、毛玉取り器を使う方法を見ていきましょう。
①毛玉を取りたい箇所を片手で押さえる。
②その箇所に毛玉取り器を当てる。
③生地を傷めないように、くるくると優しく毛玉取り器を動かし、毛玉を取っていく。
この時に注意してほしいのが、毛玉取り器を強く押し当てたり、毛玉を引っ張ったりしないことです。
極力、生地を傷めないように注意しましょう。
●毛玉取りブラシを使う
毛玉取りブラシを使うのもおすすめです。
では、取り方の方法を見ていきましょう。
①アイロン台や床など、平らな場所に洋服を置く。
②毛玉を、ブラシの先端に引っ掛けるようにして、優しく撫でるようにブラッシングする。
●食器用スポンジを使う
「お金をかけずに、そして簡単に毛玉取りをしたい!」という方におすすめなのが、食器用スポンジを使った方法です。
用意するのは、100円ショップなどにも売っている、裏面がザラザラしているポリウレタン製のスポンジです。
なぜ、食器用スポンジで毛玉が取れるのでしょうか?
ポリウレタン製のスポンジは、表面に小さな穴がたくさん開いているため、その穴に毛玉の細かい毛先が入り込み、簡単に毛玉が取れるのです。
では、方法を見ていきましょう。
①アイロン台や床など、洋服を平らなところに置く。
②毛玉があるところを、スポンジのザラザラしているところでこする。
毛玉を取る際は、あまり力を入れすぎないように注意して下さい。
綿とポリエステルの混紡繊維、毛玉を予防する方法は?
先ほど、綿とポリエステルの混紡繊維に付いた毛玉を取る方法をご紹介しましたが、簡単とは言え、やはり時間はかかってしまうものです。
できれば、毛玉ができる前に予防したいですよね。
では、予防方法を見ていきましょう。
①ブラッシングをしておく
洋服をクローゼットなどに片付ける前に、衣類用のブラシでブラッシングしておきましょう。
そうすることで、繊維同士の絡みをなくすことができます。
優しくブラッシングして、生地を傷めないように注意して下さい。
②洗濯時は洗濯ネットを使う
洋服を洗濯機で洗う場合、衣類同士が絡み合い、繊維がこすれる原因になります。
そのため、できるだけこすれる原因を作らないよう、洗濯ネットを使って下さい。
ここで注意するのが、洗濯ネットの大きさです。
洋服に比べて大きすぎすると、洗濯ネットの中で繊維同士がこすれてしまうため、毛玉の原因となってしまいます。
ちょうどよい大きさか、少し小さめの洗濯ネットを使って下さい。
また、洗濯ネットに衣類を入れる場合、裏返して入れるといっそう毛玉防止になります。
③オシャレ着用の洗剤や柔軟剤を使う
毛玉をどうしても付けたくない洋服の場合は、普通の洗剤よりオシャレ着用の洗剤を使いましょう。
オシャレ着用洗剤は、毛玉や毛羽立ちを防ぐ成分が入っています。
また、柔軟剤には陽イオン系界面活性剤が入っており、静電気を外に出す効果があります。
そのため、静電気を発生しにくくすることで、毛玉防止になります。
④連続して洋服を着ない
お気に入りの洋服の場合、続けて着たくなりますよね?
しかし、連続で着用すると毛玉の原因となってしまいます。
できれば、1度着たら、2〜3日は間を空けてから着用して下さい。
⑤静電気防止スプレーを使う
静電気が発生することで、繊維同士が摩擦を起こし、毛玉の原因となります。
そのため、静電気を防止するスプレーを使うことも予防策の1つです。
毛玉をなくして、オシャレを楽しもう!
綿とポリエステルの混紡繊維について見てきましたが、いかがでしたか?
それぞれの特徴を生かした生地ということで、多くの洋服に使われているのが綿とポリエステルの混紡繊維です。
洗濯がしやすかったり、乾きやすかったりとメリットも多いですが、毛玉が付きやすいという点が困ったところでもあります。
しかし、強度が強いので、ポイントさえ押さえれば長く愛用できるものでもあります。
上手に手入れをして、オシャレを楽しみましょう!