自宅の壁をあらためて見てみると、「こんなところに傷が!」とビックリすることがありますよね。
特に、賃貸住宅にお住まいの方の場合、敷金から傷の分を引かれたり、別途補修代を請求されたりと悩ましい問題です。
でも、「業者に頼むほどの大きさでもない」、「あまりお金をかけたくない」という方も多いと思います。
そんな時におすすめなのが100均商品です!
100均商品での修復方法をご紹介していきます。
壁はどんな素材からできている?
家の雰囲気をも左右する自宅の壁。
そのため、部屋を選んだり、ご自宅を建てる際にとても悩みますよね。
そんな重要な壁ですが、一体どんな素材のものでできているのでしょうか?
壁の素材によって、100均の修復商品も異なるものです。
まずは、素材別に見ていきましょう。
①クロス
多くの家で見られるのがクロスです。
クロスの中にもたくさんの種類があり、豊富な商品が取り揃えられているため、よく見られる素材です。
さらに、素材別に詳しく見ていきましょう。
【ビニールクロス】
ポリ塩化ビニール樹脂をシート上に仕上げ、裏面は紙で裏打ちされたもの。
多種多様な色や柄などがあり、耐水性が高い。
リーズナブルなものもあり、多くの家で使われている素材。
【紙クロス】
紙を原料に、プリント加工などが施されたもの。
ヨーロッパやアメリカでは定番のもので輸入住宅などによく使われているが、現在では和紙を使った紙クロスなども多く見られる。
通気性がよい反面、油や汚れ、摩擦に弱いというデメリットもある。
【織物クロス】
織物や不織布などを紙で裏打ちしたもの。
上記2つのものより丈夫で高級感があり、ホテルなどでよく使われている。
反面、汚れに弱く、また値段が高いというデメリットもある。
②塗壁
日本では昔から住宅の壁に使われてきたものです。
いろんな種類の素材や仕上げ法がありますが、コテや刷毛などによっていろんな模様を付けることができます。
素材別に見ていきましょう。
【漆喰壁】
日本独自の塗壁で、調湿性や防火性、断熱性などに優れたもの。
石灰を主成分としたもので、わざとコテ跡を付けてお洒落な雰囲気にしたものも人気。
【珪藻土】
珪藻土に固化材を混ぜたものが主成分。
断熱性や調湿性などの他に、有害物質を吸着してくれるという性質をもつ。
珪藻土の方が、漆喰よりもお値段が高い。
【土壁】
日本で昔から使われてきたもの。
現在では、明るい色のものやツルツルな質感のものなど、昔の土壁とは違った風合いのものもある。
③木質系の壁
インパクトがあるので、部屋のアクセントとしてよく使われているものです。
これも、素材別に2つに分けられます。
【天然木化粧合板】
台板といわれる合板や中質繊維板に、木目などが美しい木材を薄く削った天然木突板を貼り付けたもの。
天然木突板になる木材の種類によって、木目などが異なる。
【化粧シートタイプ】
合板や中質繊維板などの台板に、木目などを印刷した樹脂やオレフィンのシートを貼り付けたもの。
木目以外にも、石目模様や抽象的な柄などいろんな模様の種類がある。
上記2つ以外に、さらにもう1つ、木質系の壁で重要な部分が「巾木」と呼ばれる部分です。
壁と床のつなぎ目のところにある細長い板のことです。
これは、合板に樹脂で作られた化粧シートを貼り付けたもので、「化粧巾木」と呼ばれています。
④タイル
耐久性や耐水性が高いこともあり、主に水回りに使われてきたものです。
現在では、木目調や大理石調、アンティーク調などいろんな種類のものがあり、水回り以外の部屋にも使われるようになっています。
素材別に壁の種類を見てきましたが、塗壁やタイルの修復は、素人ではなかなか難しいものです。
さらに100均の商品での修復ということなので、今回はクロスと木質系の壁の修復のみに焦点を当てていきます。
壁にできた傷、どんな種類のものがある?
壁にできた傷といっても、いろんな種類のものがあります。
その種類によって修復方法も異なります。
では、傷の種類を見ていきましょう。
①画鋲の傷
今では、100均には穴が目立たないピンフックなども売られていますが、それでも画鋲の跡が壁に付いてしまっている人も多いと思います。
この画鋲の穴はけっこう目立つものです。
賃貸物件である場合、画鋲の傷は入居者負担となる場合が多いので、修復しておきたい傷です。
②クロスのめくれ
浴室や窓ガラスのそばなど、水気が多い場所にあるクロスは、めくれる場合があります。
これは、クロスが湿気に弱いためです。
クロスは湿気を吸収した場合、いったん膨張します。
その後、乾く段階で縮むため、それを繰り返した結果めくれてしまいます。
③クロスの剥がれ
クロスの場合よくある傷が剥がれですね。
「自宅で飼っているネコがひっかいてクロスが破れた」や、「家具が当たって破れた」という方も多いと思います。
剥がれた箇所は色が違うので、壁の中で目立ってしまいます。
④穴
剥がれと同じく目立ってしまう傷が、壁に空いてしまった穴。
ものが当たってしまったり、「イライラしてつい壁をなぐって穴を空けてしまった」という方もいらっしゃるかもしれません。
こちらも、賃貸住宅の場合、入居者負担となりますので、やはり修復の必要がある傷です。
100均にある修復商品はどんなものがある?
上記でいろんな壁の傷を見てきましたが、できれば安くお手軽に直したいものです。
ホームセンターなどにも修復用の商品は売っていますが、より安くしたい時には100均のショップに行くのがおすすめです。
では、どのような商品があるのでしょうか?
①補修用壁紙
約30×50cmのシールタイプの商品です。
石膏ボード等の平らな面に使用可能で、クロスの傷に使えます。
②壁補修用パテ
合成樹脂でできたパテです。
画鋲などの小さな穴や隙間などに使えます。
③壁の穴埋めパテ
白色のみのパテで、最長6ヶ月は使えるものです。
小さな穴などの修復に使えます。
④キズかくしクレヨン
木製品の傷を修復するのに使用します。
木質系の壁や巾木に傷が付いた場合に使えます。
⑤木材用修復パテ
これも、木製品の修復に効果があります。
練るだけで穴の修復などに使えます。
⑥リメイクシート・リメイクテープ
これは、どの100均のお店でも販売されているものです。
レンガ調や木目調、タイル調などいろいろな種類のものがあり、模様替えのアイテムとしても人気です。
上記の商品をご紹介しましたが、お店によって販売している商品が異なるため、取り扱いがないお店もあります。
100均商品での、壁の修復方法とは?
壁の修復方法は、傷の種類によって変わります。
では、実際に100均商品でどのように修復するのでしょうか?
傷の種類別に見ていきましょう。
【画鋲の跡などの小さい穴】
①壁の穴埋めパテ
先ほどご紹介した穴埋めパテは、壁穴にパテを注入すればいいだけの簡単な商品です。
②修正テープ
ほんの小さい穴であれば、なんと修正テープでも修復できます。
穴の部分に修正テープを貼り、後は指でペタペタとなじませるだけです。
③木工用ボンド・ティッシュ・爪楊枝
穴に木工用ボンドを少し出します。
その後、ちぎったティッシュを穴に詰め込み、爪楊枝で押し込みます。
余分なティッシュを取り除き、指で壁になじませれば完了です。
④四紙粘土・爪楊枝
穴に紙粘土を詰め込みます。
爪楊枝で押し込み、余分な紙粘土は取り除きます。
後は指で壁になじませればOKです。
【壁紙のめくれ】
①壁補修用パテ・爪楊枝
クロスが剥がれているところに壁補修用パテを爪楊枝で塗ります。
その後、剥がれているクロスを貼り抑えればOKです。
②補修用壁紙・カッター
めくれている部分のクロスをカッターで切り取り、その形に合わせて補修用壁紙を切り取ります。
めくれた部分に補修用壁紙を貼り付ければ完了です。
【壁紙の剥がれ】
①補修用壁紙・カッター
これも「めくれ」と同じ方法で対応可能です。
②リメイクシート・リメイクテープ
これは、剥がれている部分だけ、もしくは剥がれている部分+その周辺をリメイクする方法です。
貼る時に気を付けてほしいことが、空気が入らないようにすることです。
リメイクシートやリメイクテープを適当な大きさにカットしたら、剥がれているところにシートやテープを上から貼ります。
その後、左手で徐々にシートやテープを下方向に引っぱりながら、貼ったところに右手でタオルを当て、左右に動かしながら空気を抜いて行きます。
できるだけ、空気が入らないように気を付けて下さい。
また、このシートとテープは、ずっと貼っていると、剥がした後に壁紙まで一緒に剥がれてしまったりということがあります。
そのため、原状回復の義務がある賃貸の方には、あまりおすすめできない方法です。
【木質系の壁の傷】
①キズかくしクレヨン・サンドペーパー
傷がある壁と同じような色のクレヨンを用意します。
傷の部分をサンドペーパーで優しくこすります。
その後、「キズかくしクレヨン」を傷のところに塗り、専用のヘラで傷を埋めるように伸ばせば完了です。
②木材用修復パテ・アクリル絵の具
まずは、傷の部分に優しくサンドペーパーをかけます。
次に、パテを傷の部分に塗り込みます。
壁から突出しないように、ヘラなどで上から押し、余分な部分を取り除きます。
その後乾いたら、壁の色と同じ色にするため、アクリル絵の具でパテを塗り込んだ部分に色付けします。
これで、終了です。
100均以外で購入できる修復商品はどんなものがある?
上記では、100均の商品で壁を修復する方法を見てきましたが、例えば大きく空いた穴などは、100均の商品だけで修復するのはなかなか難しいものがあります。
では、100均以外で購入できる商品にはどんなものがあるのでしょうか?
ホームセンターやネットで購入できるおすすめの商品を見ていきましょう。
①クロスのはがれ補修セット
クロス専用の糊とローラーがセットになった商品です。
剥がれたクロスの裏面に糊を塗り、壁にくっつけます。
その後、上からローラーをまんべんなく転がして密着させれば、終了です。
②クロスの補修 クロスパテ 5g M-501
小さな穴や大きな傷穴、壁と柱の間のちょっとした隙間などを穴埋めできる商品です。
手に付いてもべたつかず、薄く伸ばすことができます。
埋めたい穴にパテを塗り付けるだけで簡単に修正ができます。
仕上がりは白っぽいベージュ色なので、壁の色に合わない時は、パテ剤に絵の具を入れて混ぜてから塗ればOKです。
③粘着タイプ パテづけ用ネットテープ・内外装用 補修 穴うめパテ ポリ容器 200g
石膏ボードや木材などの大きな穴埋めにも使える商品です。
穴が空いた部分の大きさに合わせてテープを切り、穴のところに貼ります。
その上から、パテを塗り、ヘラで平らにならします。
乾燥後、サンドペーパーでサンディングすれば終了です。
その後、壁と同じクロスを貼って下さい。
④かくれん棒 ねんどパテ
木質系の壁の傷に使える商品です。
傷の大きさに合わせて、ねんどパテを切ります。
それを手で練り、傷に塗り込みます。
乾いたら、サンドペーパーで平らに削ります。
もし壁の色と違った場合は、パテの部分をペンキなどで塗って下さい。
壁に傷を付けず、綺麗に使うには?
壁を修復する方法を見てきましたが、できれば、壁に傷を付けないようにするのが1番ですよね。
では、どのような商品で、壁に傷を付けないようにできるのでしょうか?
100均のお店やホームセンターなどで購入できる、いろんな商品を見ていきましょう。
①くりぴたフック壁紙用
ビニールクロスのご自宅に使える商品が、こちらの「くりぴたフック壁紙用」です。
フックにくりぴた接着剤を塗って壁に貼ればOKです。
なかには、耐荷重500g〜2kgのものまであります。
これなら、壁に穴を空けることなくフックを取り付けられます。
また、綺麗に剥がせるので、賃貸の方でも安心です。
②穴跡が目立たないピンフック
石膏ボード用のピンフックです。
壁にゆっくりと突き刺すだけでOKです。
画鋲や通常のピンフックよりも穴が目立たず、賃貸の方にもおすすめです。
③壁紙のキズ・汚れ防止シート
ネコの爪研ぎや子どものいたずら書きを防止するためのシートになります。
裏面にはマス目もあるので、カットしやすくなっています。
汚れや傷を付けられたくない部分にシートを貼っておけば、壁が汚れることも傷付けられることもありません。
ただ、ビニールクロスやベニア板などにしか使えないというデメリットもあります。
このような商品をあらかじめ使うことによって、壁の傷を防止することができます。
「修復は面倒くさい!」という方は、ぜひ検討して下さい。
壁を綺麗にして、快適生活を!
壁を自分で修復する方法や、あらかじめ傷を予防する方法をご紹介してきましたが、いかがでしたか?
ついつい掃除機をかけていて傷を付けたり、経年劣化でクロスが剥がれてきたりと、日常生活を送る上で壁には傷ができてしまいます。
しかし、今では、100均のお店やネットでも簡単にいろんな商品が手に入り、自分で修復できます。
もし、壁の傷で悩んでおられる方は、ぜひご自分で修復してみませんか?
お金をかけずに、快適な家に変身させることができますよ!