ミシン初心者のみなさん。
ようやくミシンの扱いにも慣れてきた、と言う頃に、急にガタガタして止まる、といった困った経験はありませんか?
同時に縫い目はぐちゃぐちゃ、糸は絡まったり、とさらに面倒なトラブルが起きると、作業を中断せざるを得ず、一気にやる気を失ってしまいますよね。
今回はそんな時の対処法を初心者向けにわかりやすくご紹介します。
困った時には、ぜひ参考にしてみて下さい。
ミシンが止まっても慌てずに!①『天秤』をチェック!
ミシンには、上糸を引き上げる働きをしている『天秤』という部品があります。
上糸をかける時に耳のように大きくカーブした部品がありますよね、その部品が天秤になります。
ミシンがガタガタして止まる時は、まずこの天秤を確認してみましょう。
上糸は外れていませんか?
最初に、しっかり糸をかけたつもりでも、縫っていくうちに外れてしまうこともあるので、その際はもう一度上糸を丁寧に掛け直しましょう。
この上糸は、針と共に布を貫通し、釜の中で回転しながら下糸と絡みます。
その過程で上糸が上手く上に引き上げられないと、釜の中で緩んだ上糸が引っ掛かり、ミシンが止まる原因になるのです。
これは、故障でもトラブルでも何でもないので、落ち着いて上糸を掛け直せば、すぐに解決します。
ミシンが止まっても慌てずに!②『針』をチェック!
先に挙げた『天秤』の他に、もう一つチェックしてほしい場所があります。
それは、『針』の状態です。
針が曲がっていたり、針先が折れてはいませんか?
また、針が正しく取り付けられているかも、併せて確認しておきましょう。
このような状態のまま縫っていると、糸が絡まったり、ミシンがガタガタして止まる、などのトラブルにつながります。
針の曲がり具合は、正面から見ても曲がっていることに気付けない場合が多々あります。
そのようなときは、横からも確認してみたり、ミシンから一度外して、平らな所に置いてみると良く分かります。
針が折れている場合は、上糸の調子が強かったり、布に対して針が細かったり、取り付け方が間違っている可能性があります。
また、同じ針を使い続けることによる消耗が原因で、針先の尖りが鈍くなってくることもあります。
縫う際の音が、ポスポスッ・プチプチッというような音になってきたら交換の目安になります。
状態の良い針を、布に合わせて選び、正しく取り付けることによって解決する簡単なケースです。
ミシンがガタガタして止まるのは内釜のキズが原因かも?
ミシン初心者には見当もつかない釜のキズですが、ミシンのガタガタという異音の原因として意外と多いのがこの釜のキズなのです。
『内釜』という部品は、下糸を巻き付けるボビンを収納する丸い部品のことを指します。
ミシンに内釜を設置した状態で、針の動きが当たる箇所を探してみて下さい。
その周辺に、針によるキズが付いていないか確認してみましょう。
ここにキズがあると、上糸が下糸と絡み、内釜を通り抜ける際に、キズによる凹の部分に糸が入り込んで引っ掛かってしまいます。
そうすると、糸が絡まったり、ループ状にもつれる、といった状態になってしまうのです。
このように、内釜のキズが原因とわかった時は、やすりなどでキズ部分を優しく磨きましょう。
滑らかにすることで、針がスムーズに内釜を通り抜けるようになり、ミシンがガタガタして止まることが解決することもあります。
糸調子のバランスの悪さが原因!ミシンがガタガタして止まる時の対処法!
『糸調子』とは、上糸と下糸のバランスを取ることを言います。
この上下の糸の張りの強さが上下同じ力加減でないと、ミシンがガタガタして止まる、ということが起きる可能性があります。
ところで、ミシンには水平釜と縦釜といったタイプがあるのはご存知でしょうか。
現在は水平釜タイプが主流なので、ここでは水平釜の場合の糸の調整方法をご説明します。
水平釜では、下糸の調整はせず、上糸で調整をするのが主流です。
まずは、今の上下の糸のバランスがどうなっているかを確かめましょう。
縫い目を見た時、表に裏の糸が見えていませんか?
その場合、上糸が強いため下糸が表に引っ張られている状態です。
上糸を弱めてバランスを取りましょう。
反対に、裏に表の糸が見えている場合は、下糸が強く上糸が引っ張られてる状態ですので、上糸の調子を強くしましょう。
表裏、均一な縫い目が並べば、糸調子は合っていることになります。
糸調子が合ってないまま縫い進めると、異音と共に止まってしまうのはもちろん、針が曲がったり、ミシンの故障にもつながりかねません。
このようなことを避けるため、始めに試し縫いをし、糸調子を合わせてから、作業に取り掛かることをおすすめします。
ミシンがガタガタして止まる前に!メンテナンスの重要性~ホコリ編~
ミシンがガタガタして止まる際、どんな異音がしますか?
もし、高い音がするのであれば、それはホコリによるトラブルかもしれません。
ミシン内部に、下糸が絡まっていたり、大量の糸くずやホコリが溜まっている可能性があります。
まずは、針板をはずし、内部全体をチェックします。
さらに、下糸の内釜を外してみましょう。
釜の内側にもホコリが溜まっている可能性は高いです。
ホコリが確認できたら、付属のブラシや綿棒などで優しく取り除きましょう。
ここで1つ気を付けることがあります。
内部や釜周辺を掃除する際は、いくつかの細かいネジや部品を順に外していきます。
掃除が終わり、次は逆順に取り付けようと思ったら、部品が無かったり、順序がわからなくなったり、トラブルがトラブルを呼んでしまうこともあります。
初心者の方は。部品を外す際は、無くさないように、また順番を間違えないようにわかりやすく部品を並べながら外していくといいでしょう。
ミシンはとても繊細な機械です。
このように、ちょっとしたメンテナンスで、元通りにスムーズに動き出すこともありますので、頻繁にミシンを使った後は糸くずやホコリの掃除を心がけましょう。
ミシンがガタガタして止まる前に!メンテナンスの重要性~油切れ編~
ミシンがガタガタして止まる際に、大きな高い音と共に、動きが重いと感じるようであれば、ホコリが溜まっているだけでなく、油切れが原因となっている場合があります。
対処法として一般的な方法は、釜周辺の部品と部品が接触する箇所に注油する方法です。
ただ、この注油ですが、メーカーによっては禁止している場合もあるので、注意が必要です。
注油を行う際は、ご自分のミシンが注油可能なミシンかどうか、取扱説明書を確認したり、販売店に相談してから行いましょう。
では、早速注油の手順を一緒に学んでいきましょう。
まずは、針板を外します。
内釜を取り外し、釜の中が良く見えるようにしてください。
次に、ミシンの右側にある丸い形の回す部分(プーリーと呼ばれています。)をゆっくり動かしてみましょう。
そうすると、釜の内側で、金属同士が擦れ合っている箇所があることに気付くと思います。
そこに、付属、または専用のミシンオイルを1、2滴落とします。
そして、また右側の回す部分を何回か動かし、部品周辺に油を馴染ませていきます。
これで、注油作業は終わりです。
注油後は、布に油汚れがつく場合がありますので、不要な布で少し縫いすすめ、余分な油を吸わせてから作業に入ると良いです。
また、初心者の方にとっては、少し難しいと感じる方もいるかもしれません。
そんな時は、無理して行わずに、お近くの販売店やミシン専門店にお願いしましょう。
ミシンは繊細な機械ですが、日々のメンテナンス次第で、長きにわたり快適に使っていけますので、これを機にメンテナンスを覚えていくことをおすすめします。
トラブルはミシンをより知るきっかけに!
ミシンを楽しく使っている最中に、急に異音が鳴り、ガタガタして止まってしまうと、とても気分が落ち込みますよね。
でも、そんなことでもない限り、ミシンの仕組みやメンテナンスを知るきっかけはなかなか無いものです。
迷いながらも自力でミシンを元の状態に戻せたとき、あなたの中で、ちょとした達成感や充足感が生まれたのではないでしょうか。
ミシンをより深く知ることで、あなたのミシンライフはきっと今より良いものになるはずです。
ぜひ、積極的に上記のステップを試してみて、快適なミシンの動きを取り戻してくださいね。