石膏ボードに壁紙を貼る方法!上手に貼るための準備と手順

苦労して重たい家具を移動して模様替えをしたのに、イメージどおりにならなかった経験はありませんか?

家具などの配置換えではなく、せっかくなら思い切って背景の壁紙を変えてみてはいかかでしょうか。

壁の素材である石膏ボードの性質や、下地の扱い方をマスターすれば、自分でも上手に部屋の壁紙を貼ることができます。

アーティスト気分で、わくわくしながらやってみましょう。

石膏ボードと壁紙の役割

ほとんどの家の壁は、石膏ボードで作られています。
文字通り石膏からできており、両面を特殊な板紙で覆われている建材です。

木造建築の場合は、耐火基準によって違ってきますが一般住宅で厚さは、9.5ミリ、12.5ミリのものが多く使われています。

賃貸アパートやマンションに多い軽量鉄骨、大型マンションなどの鉄筋コンクリートの建物は、建物構造に違いはあっても石膏ボードの表面側に壁紙を貼るようになっているので、壁は同じように見えます。

石膏ボードの価格は安く、使いやすいこともあり、一般住宅や賃貸物件によく使用されていますが、強度はコンクリートの壁よりも弱く、強い衝撃を受けると陥没や貫通の恐れがありますから、壁ドンはタブーです。

この石膏ボードは耐火・遮音の役割を果たしています。

そして、この上に壁紙が貼られています。

毎日の生活の背景として目に入る壁紙は、快適な生活をもたらす石膏ボードを見た目が悪くならないようにカバーしています。

この二つがあるから充実した暮らしをおくることができるのです。

そして、壁紙も古くなり、湿気の多い場所の場合は、カビが発生して壁の下地にまで達することがあります。
すると、柱の木材にも影響があったり、健康への影響も心配になってきます。

壁紙を張り替えるのは、部屋の模様替えのときだけでなく、古くなったときにも重要になってきます。

石膏ボードに壁紙を貼る【準備編】

石膏ボードと壁紙の関係がわかったところで早速、新しく貼る壁紙の選択と道具の準備をしていきます。

自分の好みの色やデザイン、部屋の用途やイメージを考えて選びましょう。

最近では、水回りに適した消臭・はっ水・防カビなどの機能性のあるものや、リビングなどに向いているマイナスイオンが発生する壁紙もあるので、予算がによっては検討してみるのもいいかもしれません。

揃えるものは、

・下地用パテ
・パテヘラ
・紙やすり
・ジョイントコーク(コーキング剤)
・なでパケ
・竹べら
・地ベラ
・ジョイントローラー(小ぶりのものがよい)
・マスカー(マスキングテープにビニールが付いているもの)
・スポンジ・メジャー
・バケツ
・脚立

などが必要になります。

道具が整えば部屋にある家具の移動、コンセントのプレート・カーテン止めなどのエアコン以外、壁に付いているものをすべて取り外します。

準備が整ったら、いよいよ古い壁紙を剥がしていきましょう。

カッターで適当なところを横に切り込みを入れ、そこから壁紙のつなぎ目が垂直になっている場所を探して壁紙をつまみ、引っ張って剥がしていきます。

一気に剥がしてしまうと石膏ボードにデコボコができてしまい、きれいな仕上がりで壁紙を貼ることができなくなってしまうので、丁寧に剥がしていきます。

この時、薄い裏紙がまんべんなく壁面に残るように剥がしていくことがポイントです。

裸にされた壁をドレスアップできるように、これから下地処理をしていきます。

石膏ボードに壁紙を貼る【下地編】

壁紙を剥がした時にできたデコボコをなくして、仕上がりをきれいにするポイントとなる工程の下地処理をしていきます。

古い壁紙を剥がした時に裏紙がきれいに残っていると、新しい壁紙の付きはよくなります。

逆に裏紙がムラに残ってしまい平らでない場合は、新しい壁紙の付きが悪くなりやすく、せっかく貼った新しい壁紙も剥がれやすくなるので、パテで下地を作っていきます。

まず最初に石膏ボード壁面にパテを塗っていきますが、裏紙が剥がれた箇所と裏紙が残っている部分の境目にパテを塗り、パテベラで境目をなくしていきます。

壁に空いている穴やへこみも同様に、平らに埋めていきます。

このように全体にパテを乗せてしまわず、へこみ部分に乗せてのばしていくことがポイントです。

はみ出したり、ぼた漏れは紙やすりで簡単に落とせるので、そのまま作業に進みます。

また、途中で裏紙上にパテをのせると水分を含んで膨らんでくることがありますが、その時はカッターで切り取ってから、パテをもう一度塗って処理をします。

はみ出しやぼた漏れした余分なパテを取って、半日から1日くらいおき、パテが乾燥したら紙やすりで平らになるように仕上げます。

時々手のひらで触り、確認しながら行うとよいでしょう。

紙やすりをかけ、平らになれば、いよいよ新しい壁紙を貼る工程に進みます。

石膏ボードに壁紙を貼る【実行編 1枚目】

壁紙にはリスタのり付き・のりナシがあります。

自分で石膏ボードに壁紙を貼る場合は、手間がかからないリスタのり付きを選びましょう。

天井付近の貼りはじめ右端から90センチの場所に印をつけ、そこから穴に糸を結んだ五円玉を垂らして、糸に沿い垂直な線、または点線を書きます。

このあと、床から天井までの高さを測っておきます。
マスカーで床にカバーをした上で、マス目が上にくるように壁紙を広げていきます。

この時にのり面が剥がれないように気を付けましょう。

無地の場合は天井高(床から天井までの高さ)+10センチに切ります。

そして、フィルムを剥がしてのり面同士を合わせ、折り目が付かないようにじゃばら状にやさしくたたんでいきます。

たたんだ壁紙の両端を持って広げ、上下に各5センチの余裕を作りながら左側の壁に描いた線・点線に合わせ、右にたわみを作りながら貼り付けていきます。

左線上に位置を決めたらハケで左端の空気を抜いていき、次に右端を持ち真ん中あたりまで手でなで、しわをのばしながら貼り付けていきます。

真ん中まできたら、真ん中→斜め上へ、真ん中→斜め下へしわをのばしながら貼り付けていきます。

形ができたら、パケで真ん中から右方向へ→真ん中から上へ→真ん中から下へ順番に空気を抜いてしっかりと圧着します。

壁からはみ出た上部と右側部分の壁紙は、指先で押さえながら竹べらなど使って端の部分に折り目をつけ、地ベラでしっかり押さえて切り落とせば1枚目は終了です。

石膏ボードに壁紙を貼る【実行編 2枚目】

1枚目が貼り終えたら、水で濡らしたスポンジを硬く絞り、周辺の壁・巾木に付いたのりをきれいに拭き取り、2枚目に突入です。

最初に貼った壁紙のサイドテープを外し、2枚目をおおよその位置に決めたら右端4センチほどを真っ直ぐに重ねていき、パケで空気を抜いていきます。

そして、左端を持ち、1枚目と同じように、真ん中を支点に右から左へしわをのばしながら手で貼り付けていきます。

真ん中→斜め上へ、真ん中→斜め下へ1枚目と同じようにパケで圧着し、はみ出た部分も切り落とします。

1枚目と2枚目が重なっている真ん中は地ベラで押さえながら、下地を切らないように切り落として、つなぎ目をジョイントローラーでくるくると抑えて圧着します。

3枚目、4枚目がある時はこれを繰り返します。

石膏ボードに壁紙を貼る作業も、ここまでくればあと一息です。

仕上げはコーキング剤でつなぎ目を埋めていきます。
天井との境目・壁紙との境目にコーキング剤を注入し、指でなぞってなじませていきます。

そして、硬く絞ったスポンジで軽く拭き取れば完成です!

気軽に!簡単に!楽しくやろう!

とても重労働なイメージがありますが、ちょっとした工夫で楽しく作業をすることができます。

DIY初心者なら、最初はトイレ・洗面所・キッチンなどの狭いスペースで、誰かと一緒に試してみるのもいいかもしれません。

作業工程の流れやコツをつかめたら、部屋の壁にチャレンジするとよいでしょう。

ここまで石膏ボードに壁紙を貼るまでの工程をご説明しましたが、「下地処理をどうしてもやりたくない!」という方は、今の壁紙の上から新しく替えたい壁紙を貼る方法もあります。

つまり、壁紙on壁紙です。

新しい壁紙の裏紙を剥がし、いま貼ってある壁紙の上にそのままペタッと貼り付けるだけなので、石膏ボードに壁紙を貼る時の下地処理工程がショートカットできます。

その場合は新しい壁紙を貼る前に、壁の汚れをきちんと落とし、めくれている部分がある場合には、補修のりで補修をしてから貼ります。

下地作業や壁紙の裁断時の失敗も、紙やすりやコーキングを使ってしまえばカバーすることができます。

コツはあまり考えすぎないこと!

このように石膏ボードの壁に壁紙を貼ることは、思ったよりも簡単にできてしまいます。

最近は壁紙の機能性やデザインも多様にあり、自分でも気軽に貼り替えることができるような種類のものが多くなっています。

余った壁紙でランプシェードや収納ボックスに貼ってオリジナルの小物を作ったりするのもよいでしょう。

できあがった部屋のイメージを頭に入れ、楽しみながら自分の部屋をお気に入りの空間を作りましょう。