撥水効果のある傘を買っても、しばらく使っているうちに水はじきが悪くなってしまうことがよくあります。
「新しい傘を買わなくちゃ・・・。」そう考える前に、ご自分で撥水効果を復活させてみませんか。
「傘にアイロンがけをする」など、ひと手間加えるだけで驚くほどに撥水効果が復活します。
アイロンがけ以外の撥水効果を復活させる方法や、撥水効果が落ちてしまう原因についてもご紹介します。
傘の撥水効果が落ちるのはどうして?
傘を購入した際に「撥水効果」のある傘を買ったはずなのに、使っているうちに水をはじかなくなってしまったことはありませんか?
現在「撥水傘」として販売されている傘は「フッ素樹脂」を使用して撥水加工されています。
使用前の傘には、フッ素樹脂が小さな鎖状に縦に連なっています。
しかし、撥水効果が無くなってしまったといっても、このフッ素樹脂が消えてしまうわけではありません。
傘を開けたり閉じたりすると、傘の布が擦れてしまいます。
傘を元に戻す時、手で布を触ってまとめることでしょう。
実は、このような作業の中で起きる布同士の擦れや手で触った時の摩擦などで、施されたフッ素樹脂の鎖が寝かされてしまい、そのために撥水効果が弱くなってしまうのです。
フッ素樹脂の効果があるうちは、雨は布に染みることなく弾かれますが、フッ素樹脂の鎖が寝かされてしまうと、雨を防ぎきれずに布に雨が染み込んでしまいます。
傘の撥水性が無くなると、傘に雨が染み込んで重くなってしまいます。
こうなると気分も重くなってしまいますね。
そこでご紹介したいのが、「傘のアイロンがけ」で撥水効果を復活させる方法です。
傘にアイロンがけすると撥水効果が復活?!
傘が水をはじかなくなってしまうと「買い換えるしかないかな・・・。」と思ってしまいがちです。
しかし、「傘にアイロンがけをする」というひと手間を加えれば、また撥水効果が戻り新品のような状態にできます。
ではさっそく、傘にアイロンがけをする方法を見ていきましょう。
1.傘を水で洗い、汚れを落とします。
傘には雨水だけでなく汚れもついています。
この汚れをしっかり落とさないと、撥水効果を戻すことは難しいです。
きれいにしっかりと洗います。
2.傘を清潔なタオルで拭きます。
水気を拭き取るだけでなく、汚れも拭き落とします。
傘を完全に乾かし切る必要はないので、タオルで拭き取れる分だけで大丈夫です。
3.傘の裏側からアイロンがけをします。
傘の布の素材によって、温度を調整してください。
温度は、だいたい弱温から中温くらいです。
傘にアイロンがけをすることが心配な方は、当て布をした上からアイロンがけをすると安心です。
4.傘の表面もアイロンがけします。
裏側でしっかりアイロンがけをしてあれば、表面は軽くで大丈夫です。
この方法を行えば、撥水効果が落ちて少しくたびれた感のある傘も撥水効果が戻り、見違えるほどにきれいな傘になります。
アイロンがけが心配な方は、ドライヤーで代用しても
アイロンがけで傘の撥水効果が復活することは分かっても、傘にアイロンをかけることを躊躇してしまう方もいらっしゃいます。
そのような方は、ドライヤーを使った方法はいかがでしょうか。
乱されてしまったフッ素樹脂の小さな鎖は、熱を加えることによって元の形状に戻すことができます。
アイロンがけと同じ「熱を加える」方法で、ドライヤ―の温風を当てても撥水効果が復活します。
ドライヤーを使った方法は次の通りです。
1.濡れた傘を開いて乾かします。
2.傘から5~15cm程離れたところからドライヤーの温風をあてます。
長時間当てすぎたり近づけすぎたりしないように気を付けましょう。
3.傘の折り目部分や布の端の方は、特に時間をかけて丁寧に温風をあてるようにします。
あまり古い傘の場合、フッ素樹脂が取れてしまっていて、元のような撥水効果は得られません。
また、基本的なことですが、フッ素樹脂を使用していない傘には、どんなにドライヤーをあてても意味がありません。
フッ素樹脂を使用しているかどうか分からない場合は、一部分に試してみて撥水効果が出るか確認してから全体に行うようにしましょう。
アイロンがけより、もっと手早く撥水効果を復活させたい方には
傘にアイロンがけをしたりドライヤーをあてる時間がない、もしくは手間を掛けたくないという方も少なくありません。
そのような方には、便利なグッズ「防水スプレー」を使って撥水効果を復活させる方法をおすすめします。
防水スプレーは、傘売場ではもちろん、スポーツ用品売り場や靴屋でも販売されています。
では、防水スプレーを使った方法をご紹介します。
1.濡れた傘を乾かし、汚れている場合はきれいに拭き取っておきます。
2.傘から15~20cm位離れたところから防水スプレーを、全体にまんべんなく吹きかけます。
3.傘の裏側にも同じようにスプレーすると、雨漏り対策ができます。
4.30分以上乾燥させます。
この方法で傘の防水効果をUPさせることができますが、2から4を2~3回繰り返し行うと、より大きな撥水効果を得ることができます。
【注意】
傘に防水スプレーをかけるときは、目だたない場所で試してから全体にかけるようにしましょう。
傘によっては、シミになったり白っぽくなってしまうことがあります。
傘の近くから一か所に集中して吹きかけると、シミになる可能性が高いので、必ず離れたところから吹きかけるようにしましょう。
傘の撥水効果を維持させるためのコツ
傘にアイロンがけをしたり、ドライヤーをあてたりして撥水効果を元に戻すことができたら、できるだけその効果を維持していきたいですね。
お気に入りの傘であれば、なおさらそう思うのではないでしょうか。
そこで、傘の撥水効果を維持させるためのコツを2つ挙げておきます。
【傘の布部分にはできるだけ触らないようにする】
実は、フッ素は油に弱いことが分かっています。
傘の布部分を手で触ると、油分が付着してしまい、フッ素の働きが悪くなってしまいます。
日焼け止めやハンドクリームなど、油分が多く含まれるものを塗った手で傘に触るのはさらにNGです。
つい触ってしまいがちですが、気を付けましょう。
【傘を数本用意し、順番に使う】
毎回同じ傘を使うと、フッ素の働きが悪くなるのも早くなります。
傘を数本常備し、順番に使うようにすると、撥水効果を持続させることができます。
梅雨の間は、毎日傘の出番となることも少なくありません。
毎日同じ傘を使うと、傘が濡れたままになり、劣化が早くなってしまいます。
また、「傘が壊れてしまった」「忘れてきてしまった」という時のためにも、傘は何本か持っていた方が安心ですね。
知っておきたい傘のお手入れ方法
弱まってしまった撥水効果を復活させるためには、アイロンがけやドライヤー、防水スプレーなどが有効だということをご紹介しました。
これらの効果を持続させるためにも、日頃から傘のお手入れをしてみるのもおすすめです。
あまり知られていませんが、傘は丸洗いすることができます。
丸洗いの方法は、水がはねても大丈夫なように、屋外やお風呂などで行います。
洗濯用の中性洗剤を10倍程に薄めて、スポンジで傘の表面を優しく洗います。
擦らずに撫でるような感覚で洗います。
洗い終わったら、しっかりと泡を流します。
そのままある程度乾かして、その後はこれまでにご紹介した「アイロンがけ」や「ドライヤー」を使った方法で熱をあてて乱れたフッ素の鎖を復活させます。
また、お手入れ方法とは違いますが、傘の取り扱いで気を付けたいことがあります。
普段、お店に入る時など、傘を床にトントンと軽く叩いて雨水を落としていませんか。
また、傘を左右にくるくる回して雨水を飛ばしてはいませんか。
これらは、傘の劣化を早めることになり、骨が折れやすくなってしまいます。
傘に付いた雨水を切るときは、「閉じて開いて」を優しく繰り返すようにしましょう。
傘の撥水効果を復活させるにはアイロンがけやドライヤーが効果的
使っているうちに撥水効果が弱くなってしまった傘でも、アイロンがけやドライヤーの熱を加えることによって、撥水効果を復活させることができます。
また、油分の付いた手で触らない、何本かの傘を順番に使うなど、撥水効果を持続させるコツがあります。
お気に入りの傘をいつまでも使えるように、日頃からのお手入れも大事ですね。