ご家庭のコンクリート壁、または床に空いた穴、その穴を作った理由は様々でしょう。
棚などを取り付ける際にネジ穴を開けたが、場所がズレていた、または取り外したので埋めたい。
コンセント用に元から空いていたが、緩んで大きくなってしまった。
ヒビが広がって、穴のように目立っている。
など、その穴を埋めたい理由も様々です。
ここでご紹介するのは、このような『業者に依頼するまでも無いが放っておけないコンクリートのネジ穴』をご自身で埋める方法です。
業者に頼むとどれくらい?コンクリートのネジ穴補修
例えば、初めての一人暮らしの若い女性など、壁の補修に縁のなかった方からすれば『こんな固い壁のネジ穴、自分でなんとか出来るの?』と思うかもしれません。
そこで、業者に補修をお願いするという考えをすると思います。
しかし、この程度では業者さんは来てくれないことが多いでしょう。
すぐに何とかしたい場合は、やはり自分で埋めるしかありません。
賃貸で、部屋を引き払う場合はどうでしょうか。
その際はそのままにしておいてもいいでしょうが、引き払う前には通常、大家さんや管理会社の方がお部屋の痛み具合を借主立会いの下にチェックします。
そして、そのネジ穴もチェック対象に入り、次の方に貸す前に修繕するわけですが、その際には修繕費がプラスされる、つまり敷金から引かれてしまうことになります。
敷金から引かれる金額は、ネジ穴の数や大きさ、業者にもよりますので一概にいくらとは言えませんが、1~2万と見ておいたほうが妥当です。
自分で手軽に、もっと安く埋める事ができるなら、そちらのほうが良いに越した事はありません。
ではここから、自分でコンクリートに空いたネジ穴を埋める方法をいくつかご紹介していきましょう。
緩くなったコンクリートのネジ穴を、手軽に解決
コンクリート壁に設置してあったモノである、リモコンホルダーや棚、インテリアなどのネジ穴が緩くなったために取れてしまったというお悩みであれば、それは100円程度で解決できるかもしれません。
今や100円ショップでは様々な用途の接着剤が販売されています。
その中で、「コンクリート用接着剤」を探してみてください。
おなじみの接着剤と見た目が少し違い、中身は砂の粒のようなものが含まれたざらざらしたチューブになっています。
それでは、この接着剤を使用して補修しましょう。
予め、ネジにちぎったティッシュを巻きつけ、太さを確認します。
そして、広がったネジ穴に接着剤を埋めるように埋め込み、ティッシュを巻いたネジを押し込み固定します。
使用方法や使用上の注意などの詳細は、商品のパッケージを確認してください。
この手順だけで補修ができてしまうのです。
100円だからと侮る無かれ、一度は試す価値ありでしょう。
しかし、あくまで家庭用でまさにネジ穴補修レベルの商品です。
あまりに大きな穴や、「駐車場のコンクリートが削れて補修したい」というような大掛かりなものには向きませんので、ご注意ください。
コンクリート壁に空いたネジ穴を完全に埋める
コンクリートのネジ穴を完全に埋めてなくしたい場合、家庭でも使える”パテ”を利用して補修していきます。
そういった商品には種類がありますので、次の項目で詳しくご紹介しますが、基本的にはネジ穴に注入して硬化するのを待つだけでOKです。
ネジ穴が広がったり穴から派生してヒビ割れが起こっている状態でも役に立ちます。
あなたが補修したいコンクリート壁は、どんな状態でしょうか。
コンクリート壁の表面に壁紙が貼ってありますか。
それとも、打ちっぱなし、むき出しのコンクリート壁でしょうか。
ネジ穴を埋めただけで、うまく綺麗に見えれば問題ありませんが、補修後のフォローは壁の状態によって変わってきます。
壁紙が施されている場合は、穴を埋めただけでは壁紙の破れが目に付き、隠すことはできないため、壁紙も補修する必要があります。
次の項目ではおすすめのパテの種類についてご紹介します。
家庭で手軽に利用できるおすすめ穴埋めパテ
賃貸を引き払うなど、”この際いろんな場所の補修をしたい”とお考えの方にもぜひおすすめするのは、『多用途 補修』と明記されたパテです。
エポキシ樹脂が主成分で、コンクリートはもちろん、金属、木、プラスチック、タイル、水周りなどさまざまな場所に使えるので便利です。
ネジ穴を埋めるだけでなく、水漏れにお困りの際の補修や、金属製の家具などが破損したときの補強・成型など、実に色々な用途で利用できます。
寒さや熱にも大変強く、商品によって変わりますが、大体-30℃~200℃以上の熱まで耐えることができます。
完全硬化すれば、またネジ穴を開けたり、やすりにかけたりと更なる加工も可能です。
ただし、商品によってポリエチレンやシリコンなど、使用不可の素材もありますので取扱説明書をよく確認して使用するようにしましょう。
また、壁紙が貼ってある箇所のネジ穴を埋めるときに使えるのが『クロス用』の穴埋めパテです。
コンクリート用のパテ埋めをしてから壁紙補修をする必要がなさそうなら、このアイテムだけで十分でしょう。
水性タイプで、ネジ穴はもちろん画鋲で空いた穴、さらに壁紙の隙間が空いている場合にもスッと塗って補修可能です。
色がさまざま用意されていますので、補修したい壁色にあったものを選びましょう。
これらの商品はインターネットでもホームセンターなどでも購入できます。
どちらも、安ければ300円台から販売されていますので、本当に手軽に補修する事ができます。
”埋める”のではなく”隠す”という選択
コンクリートの補修に関しては、多用途補修のパテを使う必要があることが分かりました。
次にご紹介する方法は、ネジ穴を埋めるのはなく、隠す方法です。
しかし、単に『ネジ穴の上に絵画でも・・・』というかたちで隠すわけではありません。
壁紙(クロス)が貼られた箇所のネジ穴であれば、先ほどご紹介した壁紙を接着剤を使って、目立たないようにする方法で隠しましょう。
しかし、貼る壁紙が手に入らない場合もあるでしょう。
その場合はどうすればいいのでしょうか。
この方法を、諦めなければならないでしょうか。
いえ、諦める必要はありません。
実はこの壁紙を手に入れる方法があります。
壁の”コンセントカバー”や”スイッチカバー”を外してみますと、カバーで隠れていた部分の壁紙は『余った状態』になっているはずです。
ネジ穴程度の面積分の壁紙をそこからカッターで切り取るには十分な量があるでしょう。
カバーの枠からはみ出ないように気をつけてネジ穴分の壁紙を切り取ったら、先にご紹介したパテや接着剤を利用してから、切り取った壁紙を貼り付けましょう。
切り取った部分は、カバーを戻してしまえば、その余った壁紙は見えなくなります。
賃貸の壁紙はたいていの場合、画鋲程度の穴であれば開いても目立たないように凸凹仕様になっていることが多いです。
そのため、壁紙で補修できたら、爪楊枝やつめなどで凸凹を表現し、周りとなじませてください。
その他の裏技的な補修方法!
壁の補修するため、壁の補修専用のアイテムを購入しようと思っている方もいることでしょう。
しかし、ご家庭にあるものを利用する、もっと裏技的な修復方法もあります。
お手軽な修復法をしたいけど知らないという方のために、ご家庭にあるものでできる修復方法をご紹介していきます。
この方法は、あくまで『お手軽』が主役であり、壁紙の模様などによっては専用アイテムを使用するより確実性に欠けますので、自己責任で試しください。
・文房具の『修正テープ』を使う
あまり大きく広がりすぎたネジ穴には適しませんが、広がってはいない・またはピン穴などであれば、修正テープを滑らせるだけで目立たなくする事ができます。
凹凸加工の白い壁紙にのみ使える方法です。
・「ティッシュ」と「木工用ボンド」
これも穴が小さいほど、仕上がりは目立ちにくい方法です。
木工用ボンドを穴に注入したら、こよったティッシュを詰め込んでいき、余分な部分をちぎります。
爪楊枝などで押し込み、他の部分となじませれば完了です。
・紙粘土をつめる
紙粘土をつめます。
ティッシュは真っ白な壁にしか利用できませんが、紙粘土であれば着色ができるので、さまざまな色の壁紙に使えます。
100円ショップで手に入りますので、手軽に補修できます。
このようなご家庭にあるものでできる修復方法は、あくまでもお手軽な修復方法です。
そのため、むきだしのコンクリートのネジ穴は埋めることはできないでしょう。
むきだしのコンクリートのネジ穴を埋めるには、専用の補修道具が必要になってきます。
慣れると楽しい・・ネジ穴塞ぎ
こんなの自分で綺麗にできるのかな、とコンプレックスだったネジ穴も、上記のいずれかのアイテムで補修可能です。
綺麗にできると楽しくなってしまい、もっと穴が無いか探してしまうかもしれませんね。
簡単に補修できるとなれば、賃貸住宅でもインテリアの幅が広がる事でしょう。
ただし、『原状回復の掟』はお忘れないようにしましょう。
きっと思っていたより安価に・簡単に修復できるので、そのまま引き払う前にぜひご自身で補修してください。