自分で家具を手作りするDIYが近年流行しています。
机を自作した際に塗装をニスで仕上げた場合と、そうしなかった場合では後々大きな違いが生じてきます。
最後のひと手間を加えることで、きれいな仕上がりの机が作れます。
そこで、この記事ではニスで仕上げを行う重要性と塗り方についてご紹介していきます。
机の塗装仕上げにニスを塗るメリット
なぜニスを塗る必要があるのかご存じない方もいらっしゃるかと思います。
そこで、この項目では机の塗装をニスで仕上げるメリットをご紹介していきます。
まず、一番に挙げられるのは、「ニスを塗ることによって木材を保護するという目的がある」ということです。
机を自作して使用していくと、飲み物をこぼしてしまったり、物をぶつけてしまったりすることがあるでしょう。
ニスには、防腐効果や撥水効果などがあるので、飲み物をこぼしてしまっても、布巾で拭き取れば汚れが木材に染みこむことを防げます。
もし、ニスでコーティングしていなかったとしたら、木材がこぼした飲み物を吸収してしまい、汚れがずっと残ることになってしまいます。
また、机の塗装仕上げにニスを塗ることでコーティングされるため、なにか物をぶつけてしまった際に、ある程度の衝撃でしたら木材に傷が付いたりへこんでしまったりすることを防げます。
コーティングされていない状態で物をぶつけてしまうと簡単に傷やへこみができてしまい、長く使っていくと不都合な点が生じてきてしまいます。
机は手や腕が触れる機会の多い家具ですので、ささくれた木材が手に刺さってケガをしてしまう危険性を減らすことにもつながります。
不具合を防ぎ、安全に使える机を作るためにも、塗装仕上げにニスを塗る作業が大切になってきます。
ニスの種類と特性
一口にニスといってもいくつか種類があります。
ニスの種類は大まかに分けると水性ニス、油性ニス、水性アクリルニスといった種類があります。
そこでこの項目では、それぞれの特徴をご紹介していきます。
まず、水性ニスについてですが、水性ニスは工芸品などの仕上げに用いられることが多く、耐久力があまりないので、家具などの実用的なものにはあまり適していません。
臭いが少ないといった利点があるのですが、塗って乾燥させた後でも、触るとペタペタした感じが残ることがあります。
次に、油性ニスについてです。
油性ニスは耐久性に優れており、実用的な家具に使うことができます。
しかし、臭いが強いことが多いです。
最後に、水性アクリルニスですが、これは水性ニスと油性ニスの長所を併せ持っており、臭いが少なく、耐久性に優れています。
机の塗装仕上げにニスを塗る際には、油性ニスか水性アクリルニスが適しています。
ニス塗りをする際に準備するもの
手作りした机の塗装仕上げにニスを塗るときに準備するものをこの項目ではご紹介していきます。
準備するものとしては、「ニス」、「刷毛」、「ニスを入れる容器」、そして「うすめ液」が必要になります。
ニスの種類が水性ニスの場合は、水でうすめることが可能です。
また、ニスを塗る際に床などを汚さないために、新聞紙などを敷いておくことをおすすめします。
さらに、いきなりニスを塗るのではなく、その前段階の作業として木材の表面を滑らかにするためにサンドペーパーとサンドペーパーへの当て木が必要になります。
当て木を使うことによって均一に力がかかるので、きれいに研磨することができます。
木材の表面を研磨する際には200番あたりの少し目の粗いもの、ニスを塗った表面を研磨する際には400番あたりの少し目の細かいものを使用するのがおすすめです。
サンドペーパーは、番号が大きくなるにつれて目の細かいものになると覚えておくといいかもしれません。
机の塗装仕上げにニスを塗る手順、その1
この項目では、机の塗装仕上げにニスを塗る前段階の作業をご紹介していきます。
いきなりニスを塗ってしまった場合と、この項目でご紹介する作業をしてからニスを塗った場合とでは、仕上がりに大きな差が生じてしまいます。
そのため、いきなりニスを塗らないように注意してください。
まず、サンドペーパーに当て木を添えて木材の表面を滑らかにしていきます。
研磨する際のポイントは、「木目に沿ってサンドペーパーを動かしていく」ということです。
木目に対して垂直にサンドペーパーを動かしてしまうと、木材の繊維が毛羽立ったような状態になってしまいます。
この際に使うサンドペーパーは、200番くらいの少し粗目のものが適しています。
木材自体の表面がざらついているとニスが均一に塗れず、でこぼこした仕上がりになってしまいやすいので、木材の研磨はとても大切な工程になります。
また、研磨作業が終わったら、研磨することによって出た粉塵を木材からきれいに拭き取ることを忘れずに行ってください。
これでニスを塗る前段階の作業は終了です。
机の塗装仕上げにニスを塗る手順、その2
一つ前の項目で紹介した下準備が終わったら、いよいよ机の塗装仕上げとしてニスを塗る作業に入ります。
ますはニスと、そのニスの種類に合ったうすめ液を混ぜて濃度の調節を行っていきます。
このとき、水性ニスは水、油性ニスはペイントうすめ液など、それぞれの種類で適したうすめ液が異なっているので、購入する際には確認が必要です。
おおよその濃度としては、刷毛で木材にニスを塗ったときにベタっとした感じがなく、スムーズに刷毛を動かすことができる程度が適切な濃度だといえます。
余った木材などがあれば、それに試し塗りをして確認してみるといいと思います。
濃度が濃すぎると刷毛で塗った際に刷毛の跡がくっきりと残ってしまい、乾燥させるとでこぼこした仕上がりになってしまいます。
逆に濃度が薄すぎると、コーティングが十分ではなくなってしまいます。
そのため、ニスを適切な濃度に調整することがとても重要になってきます。
濃度調節が終わったら、いよいよニスを木材に塗っていく作業に入ります。
塗る際のポイントとしては、「木目に沿って薄く均一に塗っていく」ことです。
一回塗り終わったら乾燥させ、400番あたりのサンドペーパーで研磨します。
その後重ね塗りをして仕上げの研磨をします。
よりきれいな仕上がりの目指すのであれば、何回か重ね塗りをすることをおすすめします。
机の塗装をニスで仕上げる際の注意点
机の塗装仕上げにニスを塗る手順がおわかりいただけたと思います。
この項目では、ニス塗り作業をするにあたって注意するポイントをご紹介していきます。
まず一つ目は、「換気をしっかり行う」ということです。
その理由は、締め切った部屋で作業をしていると、ニスの独特な臭いで体調が悪くなってしまう恐れがあるためです。
二つ目は、「机の天板など広い面を塗る際に、刷毛では面倒だからといってローラーを使わない」ということです。
たしかにローラーを使えば広い面でも短時間で塗ることが可能です。
しかし、気泡ができやすく仕上がりが上手くいかないことも多いです。
三つ目は、「面倒くさがったり、ニスを節約しようと思ったりせず、目に見えない面もしっかりニスを塗る」ということです。
木材は液体がつくと、それを吸収して曲がってしまいます。
そこを、全面にニスを塗ることで木材が曲がってしまうことをある程度防げます。
天板が曲がってしまったら、せっかく作った机が使い物にならなくなってしまいますので、すべての面にニスを塗ることが大切です。
最後に、ニスが足りなくなった場合に、違う種類のニスを混ぜて使わないということも大切です。
油性ニスは水性ニスを弾いてしまいますし、それぞれの種類で乾くスピードが異なるため、うまく仕上がらなくなってしまいます。
ニス塗り作業のひと手間を加えてきれいな仕上がりに
せっかく自分で作った机であれば、きれいな状態で長く使っていきたいですよね。
木材を保護する役割のあるニスで塗装仕上げを行えば、傷や汚れがつきにくくなり、長く愛用できます。
DIYで机を作るのであれば、木材を組み立てて終わりにするのではなく、ぜひ最後にニス塗り作業を行ってください。
ニス塗り作業は、塗ってから乾燥させ、重ね塗りをするなど、根気のいる作業ではありますが、完成したときの喜びは、一層大きくなると思いますし、愛着もわいてくると思います。