皆さんは、ネイビーとインディゴと聞いて、何を思い浮かべますか?
また、この2つの色の違いを知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は、ネイビーとインディゴについて、2つの色の違いはもちろん、2つそれぞれの色が持つ意味などもご紹介していきます。
ネイビーとインディゴの違い
ネイビーとインディゴと聞くと同じ様な色が浮かぶと思いますが、その違いをご説明していきます。
まずネイビーですが、一般的には濃紺と呼ばれます。
英語のNavyが【海軍】の意味で使われていた事に由来し、イギリス海軍の制服の色が濃紺であったことから、この色をネイビーと呼ぶようになったと言われています。
一方、インディゴは天然の藍に含まれるいくつかの成分の内の、青色の色素として存在します。
古くは植物由来の天然染料でしたが、現在は合成によって作られています。
そしてジーンズは当初からこの合成インディゴが使われていた事で有名です。
合成インディゴは、ドイツで発明され、またの名をピュア・インディゴと言います。
これは天然もののように、不純物が混入しておらず、まじりっけなしのインディゴ100%なのでこう呼ばれています。
ちなみに染料は青色では無く赤茶色で、染めた後に空気に触れて酸化する事で青くなっていきます。
また、水に溶けない性質を持っいているので顔料として使われています。
ジーンズがネイビーやインディゴで染められている理由
ネイビーやインディゴと言えばすぐ思いつくのはやはりジーンズでしょう。
ジーンズは1850年代にアメリカの西部で、炭鉱夫向けに作られたズボンです。
当時のアメリカの労働者のニーズとしては、丈夫なズボンが欲しいというものがありました。
当時のズボンは作業中にすぐに切れてしまっていたのです。
そこに目を付けたある仕立て屋さんが、リーバイ・ストラウスという織物商人から白い丈夫な綿帆布を仕入れ、ポケットに金属びょうを付けて補強し、インディゴで染めた物を販売したのがジーンズの始まりと言われています。
ちなみにこのリーバイ・ストラウスという人が、今の世界的ジーンズメーカー「リーバイス」の生みの親です。
そしてこれは今となれば結果オーライ的な話ですが、インディゴというのは洗濯などで色落ちがしやすいため、染料としては大きな短所を持っていると言えます。
しかし、ご存知のようにジーンズは、色落ちをファッションとして楽しんでしまう文化ですから、結果的には染料としてインディゴが最適だったわけです。
色の心理学 ネイビー
色の違いがわかったところで、色の効果についてご説明していきます。
ネイビーやインディゴは青色に黒を混ぜて暗くしたような色で、宇宙や深海をイメージさせ、心を落ち着かせる効果があります。
また、ネイビーは洋服などに使われると体が引き締まって見えます。
更にネイビーなどの紺色は、権威を表し高級感を出してくれる色でもあるので、制服やスーツなどに多く使われます。
堅実でまじめなイメージを与える事ができるため、リクルートスーツなどは紺色が多いです。
また、インテリアにもネイビーを取り入れると様々な効果が期待できます。
宇宙や海をイメージさせる色なので、どこか神秘的で高級感のある部屋が演出できます。
ネイビーが好きな人は、「知性」「冷静さ」「慎重さ」などを示す色のため、上限関係を重んじ、知的でスマートな自分であろうとします。
カッとなることはなく、冷静で落ち着きがあり、責任感が強いため、他人に頼りにされることが多いでしょう。
しかし、反面、自尊心が強く、見栄っ張りなところがあるので、周囲にはストイックに見えたり、取っつきにくい印象を与えてしまうかもしれません。
色の心理学 インディゴ
インディゴやネイビーは、宇宙や星空を想いおこさせるので、心が穏やかになる色です。
直観と洞察力を磨きたい時や物事の真理を探究したい時に気持ちを静めて考える事ができます。
また、人生について少し見つめ直して考えたいなどと思った時は、インディゴの物を見ると良いでしょう。
更には疲れてしまった時などに、深い安息が必要となる際も落ち着いた気分にさせてくれます。
また、商品のパッケージには、その効果・効能を「色」で表現しているものが少なくありません。
特にインディゴには深遠な・神秘的な・信頼のおけるなどのイメージがあるので、鎮痛剤などに使われている事が多いです。
インディゴが好きな人は、物事を深く狭く考える傾向にあります。
いわゆる一つの事に没頭して集中するタイプです。
また、物事の本質を理解して、ズバッと本音で切り込んでくるタイプの人も多いです。
それだけに人との付き合いも妥協を許さず、深い付き合いを求めるので友達は少ないかもしれませんが、親友になる事が多いです。
ネイビー、インディゴとよく似た色
ここからは、ネイビーとインディゴに良く似た色をご紹介します。
★鉄紺(てつこん)
鉄色が掛かった紺色です。
わずかに緑みを帯びた暗い青色のことで、紺鉄色とも呼ばれます。
★藍錆(あいさび)
これは読んで字のごとく、藍色にサビの赤茶色を合わせたような色です。
★紺藍(こんあい)
紺色とはだいぶ離れた印象で、規格では「濃い青紫」とされています。
一般に紺色がかった藍色をさし、紺色よりも、藍色よりも赤みが強く、やや明るい色合いです。
藍染めにおいて最も濃い色をさします。
★二藍(ふたあい)
ここまで来ると見た目は完全に紫です。
それもそのはずで名前に「二」が入っているように、青の藍と赤の藍を混ぜて染めたところからこの名前が付いたと言われています。
古い歴史があり、平安時代から使われているという説もあります。
このほかにも、深い紫みの青色である【瑠璃紺】や、ナスのような深い紫い色の【茄子紺】、群青色、桔梗紺などもありますのでぜひ調べてみて下さい。
ネイビーやインディゴを生活にうまく取り入れよう!
最後に部屋のインテリアにネイビーやインディゴの取り入れ方をご紹介します。
何度も言ってきましたが、紺には気持ちを落ち着かせる効果があるので、大きめの物をインディゴやネイビーにする事でその効果が上がります。
例えばカーテン、特に夏場などは涼しげな印象を与えてくれるのでおすすめです。
そのため、マリンルックなどは、紺と白の組み合わせが多いです。
あとはくつろぎの空間である、ソファやクッションにも良い色です。
私は布団カバーを紺色にしていますが、リラックスして眠りに付けるような気がします。
また、青や紺色は後退色のため、部屋を広く見せる効果があります。
壁紙の一部を紺色にすればそれだけで、空間が広がったような錯覚になり、十分に効果があります。
鎮静効果や集中力を高める効果があるため、一人暮らしなら、寝る空間の周りに薄い青を使ってリラックス効果を高めたりも出来ます。
また、風水の世界では冷静さや判断力を示す色とされているので、オフィスなどにも積極的に取り入れる事で仕事の能率も上がる事でしょう。
ネイビーは濃紺、インディゴは藍色
ネイビー、インディゴというテーマでお届けしてきましたがいかがでしたか?
ネイビーとインディゴの色が持つ意味などは興味深く読んでいただけたのではないでしょうか。
インテリアやファッションにも上手に取り入れてみてください。