パイン材の特性と床が塗装されている場合のメンテナンス方法

パイン材は自然な木目と、やさしい手触りで木のぬくもりが感じられることが人気の理由です。

パイン材の床って魅力的だけど、日常の掃除などでどう扱ったら良いのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、そんなパイン材の特性についてと床が塗装されている場合のメンテナンス方法についてお話したいと思います。

床に使用される事が多いパイン材とは?

パイン材のことを知っている方もいるかと思いますが、ここでは改めてパイン材についてご説明していきましょう。

●パイン材って何?

カナダや北米から輸入されたマツ科の針葉樹松の材木を指します。

床や家具などの内装材として人気があり、人工的に手を加えられたものではなく自然のままの状態で使用されます。

他の材木と比べ比較的安価な材木ですが、元々マツ科は節が多いため、一部の節の無いパイン材は珍しい材木として高値で取引されています。

●パインのデメリットって?

パイン材、つまり赤松は柔らかい木なので、表面硬度はそれほど高くありません。
そのため、強度が必要な加工物にはパイン材を使用しないほうが賢明でしょう。

特に針葉樹はもろいため、負荷のかかるところは広葉樹を使ったほうが良いと思われます。

●パイン材のメリットって?

強度は高くありませんが膨張・収縮しやすく、しなりやすく反りやすいといった特徴を持ったパイン材は、加工しやすいといったメリットも兼ね備えています。
また、パイン材は特有の心地良い木の香りがするため、木そのものの良さを楽しむには、うってつけの素材です。

パイン材をわざわざ使うのであれば、上記に留意し、木の呼吸を止めるような加工や塗装は避けるべきでしょう。
素材自体に手を加えすぎず、素材をありのままに活かした使い方が好まれます。

加えて、年月を重ねるごとに経年変化し、木材特有の良い味わいを醸し出してくれることから、それも楽しみの1つと言えるでしょう。

パイン材の床がウレタン塗装の場合のメンテナンス方法

パイン塗装とは、ウレタン系の塗料でフローリングの表面に薄い膜を張るような塗装を指します。
このメンテナンス方法をご紹介します。

●簡単なお手入れの場合

(1)床拭きには乾いた雑巾をご利用ください。
(2)床の隙間のゴミは掃除機などで除去できますが、取り除きにくい場合は爪楊枝などをご利用ください。

●大掃除の場合

(1)掃除機、または固く絞った雑巾をご利用ください。
(2)落ちにくい汚れは、中性洗剤を薄めて塗布し、固く絞った雑巾で拭いてください。
(3)最後に乾いた雑巾で乾拭きをします。

●ワックス塗装の場合

ウレタン塗装・UV塗装、硬化クリア塗装などにはワックスは必要ありませんが、塗る場合はパイン材の無垢フローリングに塗装出来る商品なのかをご確認の上、各ワックスメーカーに詳細をお問い合わせください。

塗装前には必ず取扱説明書を読み、目立たない場所に試し塗りをした上で、使用上の注意に留意し、塗ってください。

(1)ゴミやホコリを取り除いてください。
(2)固くしぼった雑巾で床全体を水拭きしてください。

パイン材の床が自然塗装の場合のメンテナンス方法

自然塗装とは、天然油脂(オイル)を使用した仕上げを指します。
オイル塗装は、木の表情をしっとりとさせ、パイン材本来の質感を残こしてくれます。
この自然塗装のメンテナンス方法をご紹介します。

●簡単なお手入れの場合

(1)床拭きには乾いた雑巾を使用してください。
大きいゴミは一ヶ所に掃き寄せて取り除きます。
(2)床の隙間のゴミは掃除機等で除去し、取り除きにくい場合は爪楊枝等をご利用ください。

●大掃除の場合

(1)掃除機、あるいは固く絞った雑巾等をご利用ください。
(2)落ちにくい汚れは、各メーカーが販売している専用のクリーナー等を利用し、汚れを拭き取ってください。
(3)最後に乾いた雑巾で乾拭きをします。

●ワックス塗装の場合

木本来の質感を保つため、オイル塗装の無垢フローリングにワックスをかける場合は、必ずオイル塗装と同じメーカーのワックスをご利用ください。

塗装方法や手順は、販売メーカーによって大きく異なりますので、塗装時には各メーカーの使用方法に必ず従ってください。

なお、オイル塗装用ではないウレタン塗装用のワックスをかけると、毛羽立ちやシミの原因になりますのでご使用はお控えください。

やってはいけない事

★ウレタン塗装用のメンテナンス用品は使用できません。
必ずオイル塗装用の用品をご購入ください。

★水分は床板の反りや割れの原因になるため、付着した場合はすぐに拭き取ってください。

★薬品を含んだ化学モップなどは変色の原因になりますので、ご使用をお控えください。

床が塗装有り・無塗装の場合の補修方法は?

床が汚れた時の対処方法や補修方法をご紹介致します。

☆床にマヨネーズをこぼしてしまった!

せっかくのパイン材の床にマヨネーズが・・・生活や食事に伴う汚れの付着はどうしても避けられません。
しかし、適切に対処する事で、汚れを綺麗にできる場合があります。

付着物の種類によって対処方法が異なりますので、下記をよく読み、焦らず対処してみてください。

◎油・ソース・マヨネーズなど:中性洗剤をぬるま湯で溶かして塗布し、よく絞った雑巾で拭いてください。

◎ケチャップ・クレヨン・水性ペンなど:乾いた布にベンジンを塗布し、素早く拭いてください。

◎油性ペン:付着してしまった直後であれば消しゴムで綺麗にできる場合がありますが、落ちない場合は乾いた布にベンジンを塗布し、素早く拭いてください。

☆フローリングの床をへこませてしまった!

汚れ同様、怖いのが床の傷やへこみです。
しかし、無塗装やオイル塗装の床は、適切に対処する事で改善できる場合があります。

①へこみの箇所に少し水を垂らすか、水分を含ませた布をあてて、しばらく時間をおきます。
②布の上からアイロンをかけます。
押しつけて離す作業を、5~10秒ほど、2~3回様子を見ながら繰り返してください。

※ウレタン塗装やUV塗装の場合、塗装が剥げてしまう場合がありますので、専門の補修業者に依頼する事をおすすめ致します。

床にカーペットを敷いている場合の効果的な掃除機のかけ方

ウレタン塗装やオイル塗装など、塗装の種類に関わらず、せっかくのパイン材のフローリング床の汚れや傷を防止するために、ラグなどを使用される方も多いと思います。

しかし、ラグにはホコリやダニなどが付着しやすく、きちんと掃除する必要があります。

ラグの清掃の基本は掃除機です。
目には見えない小さなゴミまで綺麗に吸い取ってくれるため、非常に有効的です。

しかし、だからといって毎日全てのラグに掃除機をかけるのは、とても大変ですよね。
そこでより効率を高めるために、下記3つのポイントをご紹介します。

①最低でも週に1~2回
週に最低1~2回は掃除機をかけましょう。
使用頻度の高い場所は毎日行なうと理想的です。

②毛並みを起こすようにかける
上から押さえるように掃除機をかけると、かえってゴミは取れません。
ラグの毛並みを起こすようにかける事で、毛足の根本の空気の通りが良くなり、効率良くゴミを吸い取る事ができます。

ホコリや汚れなどを点検しながら吸い取るとより効果的です。

③ダニ対策!1平方メートル(1m×1m)あたり20秒
1平方メートルにつき15~25秒かける事で、ダニのエサや死骸、排出物などをかなり吸い取る事ができます。
特に、よく歩く所、座る所、食事する所などには、ホコリや角質がたまり、ダニが集まりやすくなります。

ホコリがたまりやすい場所、風通しの悪い部屋、湿気の多い箇所に注意して掃除機をかけてください。

寝室の床にカーペットを敷くメリットとオススメの色は?

絨毯やラグやカーペットは、床を汚れや傷から守るだけではありません。

素材による保温効果や、触感によるリラックス効果、また騒音の軽減に繋がったり、別用途としては部屋のインテリアとして内装を際立たせたりする事ができます。

部屋の特徴に合わせたラグやカーペットを使用する事で、より居心地の良い空間を作ったり、塗装やパイン材の特徴を活かした部屋作りを行なう事ができます。

一つの活用例として、ラグが最も効果的に作用する寝室に着目してみましょう。

寝室は、その名の通り安眠が目的の部屋です。
安眠のためには、心地良い環境と室内温度を適切に保つ部屋作りが必要不可欠です。

ラグを使用する事により、床が冷えにくくなるため、部屋を暖かく保つ事ができます。
また、寝室は汚れの心配も少なく、掃除も簡単に済む場合が多いです。

寝室のラグを選ぶポイントとして、なるべく天然羊毛の比率が高い物や、防汚・防ダニ加工の物がおすすめです。
部屋の保温作用に効果的で、かつ掃除も楽々です。

加えて、素材だけでなく色にも拘ってみましょう。
眠る前に目にする色は睡眠までの時間や睡眠中の神経の働きに大きな影響を与えます。

特に青系の色は鎮静作用が働き、気持ちを落ち着かせて眠りに入りやすくしてくれる効果があります。
そのため、ラグや寝具は青や緑、茶といった落ち着いた色味を使用するのがおすすめです。

睡眠の質を高めるなら、部屋全体を青系の色で統一してみてはいかがでしょうか。

床材の特性を良く知っておこう

無垢材を使った床は、柔らかさや温かみを感じられ、肌触りも良くて本当に素敵ですよね。

しかし、傷やシミがつきやすかったり曲がりや割れが発生するなどのデメリットもあります。

パイン材などの無垢材の使用を検討される方は、その特性をよく理解して、実際に無垢材を入れた家を見学したり、実物のサンプルなどに触れておきましょう!