今回ご紹介する杉フローリングには、様々な効果があります。
なぜ杉をおすすめするのか、その理由として、杉の素晴らしい効果をご紹介していきます。
また、杉などの無垢材は、表面にコーティングを施さないと、シミや汚れがつきやすくなってしまいます。
そこで、おすすめするのがワックスです。
では、いったい杉にはどんなワックスを使用したらいいのか、おすすめのワックスも一緒にご紹介していきます。
なぜ杉フローリングをおすすめするのか?
多くの無垢フローリングがあるなかで、今回おすすめするのは杉フローリングです。
では、いったいなぜフローリングに杉がいいのでしょうか
杉の主な特徴は、柔らかく、温かいことがあげられます。
合板のフローリングは素足で歩くとヒヤッとすることがありますが、杉のフローリングにはそれがありません。
むしろ冬でも暖かいと言われることもあり、冷え性の方にはうれしい効果なのではないでしょうか。
杉は空気を多く含む材質で、高い断熱性能を持っているため、このような、温かい性質があるのです。
また、杉などの無垢材は私たち人間と同じように生きています。
そのため、呼吸も日焼けもします。
だんだんと飴色に変化していく床材の美しさも、素材が生きているからこそ生まれるのです。
経年変化も楽しめる、ということも無垢材の魅力と言えます。
更に合板と違い、糊を使わない無垢の床は、はがれる心配がありません。
無垢の床は、きちんとワックスをかけるなど、メンテナンスさえすれば永く付き合える床材なのです。
杉の香りは、睡眠に大きく影響する!?
杉フローリングのよさである、香りにも注目してみましょう。杉の特徴のひとつである香りには、鎮静効果があると言われています。
この杉の香りには、睡眠の質を高める性質があると言われています。
ではなぜ、杉の香りは睡眠に影響を与えるのでしょうか。
杉に含まれる香り成分「セドロール」は自立神経に作用し、呼吸や心拍数を落ち着かせ、心身をリラックスさせる効果があると言われています。
そのため、杉の香りをかげば、寝つきがよくなったり、睡眠体質改善に繋がるとされているのです。
香りと言えば、サーフィンのボードに塗るワックスなども、非常に良い香りのものがありますが、杉のように、リラックス効果があるかは定かではありません。
杉の香りは、いびきにも効果があると言われています。そもそもいびきをかくということは、鼻孔が閉じているために起こることです。
人は、リラックスをすれば、呼吸が深く、大きくなります。
そのため、杉の香りでリラックスすれば、大きく呼吸をするために鼻孔も開き、いびきをかかなくなった。ということに繋がったといえます。
逆を言うと、ビニールクロスなどで囲われた部屋は、科学物質が充満し空気が汚れていると脳は理解します。
汚れた空気を体内に取り入れないようにと、鼻孔を閉じてしまうのです。
そうすると、身体は酸素不足になり、集中力、記憶力など悪い影響を与えます。
更に子供は、体重あたりの呼吸量が大人の倍近くといわれています。
脳は酸素を取り入れて、成長していきますので、子供の成長期に酸素不足は大きな問題です。
今すぐ、杉のフローリングに出来ないという方でも、すのこベッドや、杉のオイル、杉チップを枕元においておくことでも、効果を実感できますので、おすすめです。
寝室にもおすすめしたい、杉フローリングの効果
そしてなんと言っても杉は、空気浄化機能がダントツの木材です。
杉材には、住宅内部のビニールクロスの防カビ剤など、揮発性化学物質を減らす効果が期待できます。
睡眠は人生の3分の1といわれています。その大切な時間を、科学部質だらけで空気が汚れた寝室で過ごしたいという方は少ないと思います。
杉は、クロスなどから出る科学物質を減らすことが出来るので、寝室の空気もきれいにしてくれるのです。
先ほどお話したように杉は、鎮静効果のある物質も放出もしています。
湿度が低下すると、杉は湿気を放出させるのですが、その際に杉は、吸収した汚染化学物質を出さずに、鎮静効果のある鎮静物質を放出してくれるのです。
この鎮静効果物質は人間には「香り」として認識されます。
「香り」の源は、精油分エッセンシャルオイルとよばれる物です。
エッセンシャルオイルは自然植物由来の天然の液体のことで、その植物の香り成分を凝縮されて作られたもののことです。
杉は、何もしなくても自らの呼吸だけで、きれいな空気と鎮静効果のある物質を放出し続けてくれる、素晴らしい材木です。
杉は内部に空気を多く含んでいる木材です。空気を多く含んでいるということは、大量の呼吸域 = 湿度を調整する容量がたくさんある状態とも言えます。
たくさんの湿度調整が出来ることは、たくさんの空気浄化機能&鎮静効果物質の放出という事に繋がります。
こんなにたくさんの、うれしい効果が期待できる杉のフローリングは、ぜひワックスをかけて大切に長く使ってあげて下さい。
杉フローリング、ワックスも自然なものを選ぼう!
ここまで、杉の素晴らしい効果をご紹介してきましたが、そんな素晴らしい杉の効果を保つためにも、ぜひ自然成分のワックスでお手入れすることをおすすめします。
もちろん、無塗装という手もありますが、ワックスをすることで保護の役割もあります。それでは、どんなワックスを使用したらいいかご紹介していきます。
杉などの無垢フローリングに使用するワックスでおすすめなのが蜜蝋ワックスです。
よくある合板フローリングではなく、あえて無垢材のフローリングを選ぶ人には、ワックスも自然で安全なものがおすすめです。
そこで、杉などの無垢フローリングの効果を消さないために、天然自然成分100%の蜜蝋ワックスを使用してみましょう。
例えば「未晒し蜜蝋ワックス」の原材料は、以下の2つだけです。
1. 未晒し(無漂白)の国産ミツロウ
2. 純正一番絞りのエゴマ油などの自然オイル
ここで、「蜜蝋(みつろう)」とは何かというと、ミツバチが巣を構成するために、体内から分泌した物です。
蜜蝋は、蜂蜜をとったあとの、使わなくなったミツバチの巣を、湯せんし3~4回晒しで不純物を取り除けば出来上がります。
そして、この蜜蝋を、厳選した「荏胡麻(えごま)」の種子を絞って取り出した、一番絞りのエゴマ油などの自然オイルとあわせたものが、蜜蝋ワックスなのです。
蜜蝋ワックスは、優れた撥水効果を発揮するので、杉材にこのワックスを塗るだけで、汚れが付きにくく、また、ふき取りやすくなります。
蜜蝋のワックス効果は、長持ちするという特徴もあります。
目安として1~2年に一度塗布すればOKです。スポンジに付けて1回塗るだけなので、自分で簡単にメンテナンスが可能なのもうれしいところです。
また、伸びもいいので、少量で済み、お財布にも優しいワックスなのです。
杉などの無垢フローリングに使用する蜜蝋ワックスの種類は?
杉などの無垢材のフローリングに使用するワックスには硬さの種類があります。「未晒し蜜蝋ワックス」でも固さの種類は3種類のタイプがあります。
未晒し蜜蝋ワックスは、原料の無漂白の蜜蝋とエゴマ油の配分の比率を変え、硬さを3つのタイプに分けています。
木材によっては油分の吸い込み方に違いがありますので、ワックスを使い分けるといいでしょう。
では、フローリングに使用する蜜蝋ワックスの固さはどのくらいのものが望ましいのでしょうか。
簡単に言うと、Aが蜜蝋多め、Cが油多めのワックスです。無垢材のフローリングなど広い面積を塗装する場合は、Cタイプが、油が多く伸びもよいので使いやすいです。
BタイプのワックスはC同様柔らかいのですが、あまりフローリングに使用されることがありません。
Bタイプは、やわらかいのですが、精製していないえごま油を使用しているため、えごま油の独特の魚臭い匂いが強く、住宅のフローリングでは、使用されないことが多いのです。
また、油の吸収が激しい材や、オイルステインや柿渋仕上げの上の塗装には、蜜蝋が多い固めのAタイプが向いています。
蜜蝋ワックスの塗り方と、ポイント
○未晒し蜜蝋ワックスの塗り方のポイント
まず、蜜蝋ワックスを塗る前に、杉など、無垢材のフローリングにゴミや汚れがないか、掃除してから塗装しましょう。
用意するスポンジは、カーワックス用のスポンジが、ワックスを塗りやすく、伸びもよいため、おすすめです。
刷毛や布はワックスの伸びがあまりよくないので、こちらのスポンジがおすすめです。
ワックスを塗るこつは、少量を薄くぬることです。蜜蝋ワックスを塗り終わったら、少し湿っている程度が仕上がりの目安です。
このとき、床がべたつくようでしたら、ワックスの塗りすぎと思ったほうがいいです。
ワックスが伸びているかどうかは、目視ではよく分からず、多めに塗りがちになるので、注意が必要です。
床をなるべく低い体勢で、斜めから見ると、どこが塗られているのか、塗られていないか分かりやすくなるので、確認してみましょう。
最後に、塗ったワックスを乾いた布などで拭いて仕上げましょう。
多く塗りすぎてしまったワックスは、ここで拭きとってしまいましょう。
塗り終わった蜜蝋ワックスは、乾燥させるまでに、半日から1日を必要とします。
蜜蝋ワックスを塗ったまま、長時間放置すると、乾拭きしても余分な油がとれず、べたつきが残る場合がありますので注意が必要です。
蜜蝋ワックスを塗ったあとは、少し木材が濃くなります。
水などをこぼしても撥水効果が優れているので、染み込まず、水をはじいてくれます。
蜜蝋ワックスを塗ったあとは、毎日のお手入れも簡単です。
いつも掃除するのと同様に、掃除機などでホコリを取り除き、よく絞った雑巾で水拭きするだけです。
無垢材に水拭とは、意外に思われる方もいるかもしれませんが、ワックスをかけたことによる防水効果があるので、心配いりません。
ワックスをかけなおす、おおまかな目安は、1年後くらいです。
キッチン・水まわりは汚れやすい場所でもあるので、半年~1年ほどを目安にすると良いでしょう。
その他、リビングなどの床は、1年~2年が目安です。
壁や腰板などは床と違い、摩擦が少ないので、防水効果は5年程は持続します。
撥水効果がなくなってきたと感じたら、汚れを落とし、再度塗り直すようにしましょう。
杉には素晴らしい効果がある!
杉をフローリングにおすすめする理由が、お分かり頂けたでしょうか。
杉は、暖かさもあり、見た目も美しいだけでなく、空気浄化作用も持っています。
住宅では、クロスなどの糊から化学物質が常に放出されていますが、杉には、この科学物質を、浄化する作用があると言われているのです。
そんな素晴らしい杉には、ぜひ自然ワックスの使用をおすすめします。