人間は、湿度が高いとどうなるのでしょうか。
高湿度の空間でも、健康状態を保ったまま生活することができるのでしょうか。
一方、お部屋は、高湿度と低湿度それぞれの状態で何か違いがあるのでしょうか。
今回は、人間やお部屋の湿度が高いとどうなるのかをご紹介します。
人間は湿度が高いとどうなる?①
湿度が高いと人体や環境にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
人間の体は汗で体温調節をしており、体温が高くなると汗を出して熱を逃し、汗が蒸発する事で体温を下げるといった具合に汗で体温調節をしています。
しかし、湿度が高いとどうなるかというと、汗が蒸発されずに体内の体温が上がり、熱がこもってしまう為、体力をどんどん消耗し疲れやすくなってしまうという状況に陥ります。
高湿度の状態では消化酵素の働きも低下してしまう為、食欲不振に陥る人も多く、体調を崩すきっかけになりがちなのです。
他にも、高湿度な環境を好むものの一つにカビがあります。
50%以上になると繁殖をはじめ、60%を超えると急激に繁殖すると言われているカビは、私達の身体にアレルギー疾患や感染症、カビ中毒を引き起こす可能性がある有害なものです。
気管支炎や気管支喘息、鼻炎と言ったアレルギー疾患はカビが原因になっていることもありますし、水虫やたむしなどはカビが身体の組織に取り付くことで起こる感染症の一つです。
また、細菌によるカビとは異なり、慢性疾患として現れる場合が多いカビ中毒もカビが作るカビ毒が原因となっています。
湿度を下げて快適な環境を保つことは健康の面からも大切な事といえます。
人間は湿度が高いとどうなる?②
私達の身体は湿度が高いとどうなるでしょうか。
気温の高い日は熱中症に注意しようと、積極的に水分を摂取するなどの意識が働きますが、気温が22~23℃ぐらいでも高湿度の日には熱中症になったという方が多いというデータがあります。
人間の身体は汗をかく事により、気化熱を利用して熱を下げようとしますので、カラッと晴れた気温が高い日は暑くて汗をかいても、汗を蒸発させて体温を下げています。
そして、その汗が蒸発される事によって体温が下がるというわけですが、気温はそれ程高くないけれど、湿度が高くジメジメした日は、汗が蒸発しないので、身体の中に熱がこもってしまい、体温が上がりやすい状態になってしまうのです。
体の中に熱がこもって体温が上昇すると、 水分や塩分が不足して体の機能や意識に障害がでできてしまいます。
水だけ飲むと逆に血液の塩分濃度が下がってしまいますので、汗を大量にかいた後などには塩分も一緒に補給した方が良いでしょう。
お布団は湿度が高いとどうなる?
人間は寝ている間も体温調節を行ない、一晩で約コップ1杯分の汗をかくといわれています。
睡眠中にかいた汗はお布団に吸収され、お布団の上部に約30%、床部分に約70%が湿気となって溜まるといわれますが、お布団内の湿度が高いとどうなるのでしょうか。
お布団を干したり、布団乾燥機などを使用し上手く湿度が発散できていれば良いのですが、そのまま何もせず、毎日お布団を敷きっぱなしにしたりという状態が続くとカビが発生してしまいます。
吸湿性にすぐれた畳の上にお布団を敷いている場合であっても、お布団を敷いたままの状態では、お布団や畳に溜まった湿気が発散できずにカビを発生させる原因になります。
フローリングの上にお布団やマットを敷いている場合は、フローリング自体に湿気を発散させる事が出来ないため、畳に比べて更に湿気がこもりやすい状態となり、お布団とフローリングの間に結露が発生し、カビの原因になります。
特に梅雨時や夏など高温多湿な時期は、睡眠中の汗以外にも、お布団自体が湿気を帯びやすい為、より一層カビへの注意が必要です。
寝室の湿度が高いとどうなる?
快適な状態で眠る為には寝室の室温や湿度など、どの様な点に気を配れば良いでしょうか。
快適な室温は26℃~28℃位、湿度は50%程度と言われていますので、室内での熱中症や暑さ対策として就寝時、上手にエアコンを活用しましょう。
夏の暑い時期はつい温度や湿度を低くしてしまいがちですが、湿度や温度は高すぎても低すぎても良くありません。
寝室の湿度が高いとどうなるかというと、就寝中にかいた汗が上手く蒸発できずに熱が身体にこもるなど熱中症になる心配があります。
逆に湿度が低すぎると室内が乾燥しすぎてしまいますので、汗をかいてもサラッと乾く50%程度の湿度を保つように心がけると良いでしょう。
温度に関しても、あまり低くしすぎると寒さを感じる血管が収縮してしまい身体に負担がかかる為、疲れが溜まりやすくなるなど逆効果になります。
快適に休める室温を保てる様にしましょう。
尚、エアコンを使用する場合には上手にタイマーを活用します。
出来れば眠る1時間前に3時間タイマーで入眠の際の温度を適温の27℃まで下げましょう。
就寝直後に発汗しますが、2時間後にタイマーが切れると室温が少しずつ上がっていく際に汗を乾かしてくれます。
汗が乾ききると体温が上昇し6時に起床するリズムが作れます。
エアコンの温度設定を下げるのではなく、涼感をアップさせる為に気流を利用する事も一つの方法です。
気流が身体から熱を奪い、涼しさを感じさせます。
畳は湿度が高いとどうなる?①
日本ではよく使われている畳ですが、畳は湿度が高いとどうなるのでしょうか。
畳はイグサという植物で作られており、高温多湿な日本の環境にとても合っている素材だと言われます。
湿度が高い時には空気中の水分を吸収しますが、湿度が低くなると溜め込んだ水分を放出するという調湿効果があるのが特長です。
しかし逆に言えば、湿度が高い時期が続くと必要以上に湿気を吸収しやすいとも言えますので注意したいところです。
カビが発生する要素は「湿度」「気温」「栄養分」の3つと言われ、最適な温度は20℃から30℃、湿度が60%になると活動し始め、80%を超えると殆どのカビが活動するようになると言われています。
そして、このカビが繁殖するための栄養源となるのが、ゴミやホコリ、落ちた角質など、人間が生活する上で、生じるありとあらゆるものであり、ある程度は清掃などによって予防することは出来ても、完全な除去は難しいといえるものばかりです。
梅雨時など湿度が高くなる季節は畳の性質を考慮し、カビにもより注意を払うと良いでしょう。
畳は湿度が高いとどうなる?②
新しい畳は湿度が高いとどうなるでしょうか。
畳の持つ湿気があれば吸収し、乾いていたら溜め込んでいた水分を放出するという調湿効果が、新しい畳であれば、あるほど高くなる傾向にあると言われますので、カビの発生には普通の畳以上に注意を払いたい所です。
こうした畳の調湿効果により雨の日に換気をすると畳が多くの水分を吸収してしまう原因になりますので、外気を取り込まないようにすると良いでしょう。
特に1階に畳を新調した際には、地下から上がってくる水分を吸収し湿度が高くなりやすい傾向がありますので注意が必要です。
畳が新しいうちは上にマットやカーペットなどを敷いてしまうと、水分の放出が行いにくい状態になり、カビが生えやすい状況を作りますので、出来れば風通しを良くして置きましょう。
また、近年の住宅事情は密閉度が高い建物が多く、冷暖房の効率が高まった反面、室内の空気が入れ替わりにくいというデメリットも生じています。
一旦室内の湿度が上がると空気が逃げにくく高湿度になりがちで、カビの好発条件になりますので出来るだけ積極的に換気を行う様にしましょう。
カビが増えると、カビをエサとしてダニも繁殖しやすくなります。
そして、カビに触れたダニが他の場所にカビを撒き散らす為、更にカビが増えるという悪循環が生じます。
そのため、発生させにくい環境作りとともに、小まめな清掃で少しずつでもダニやカビを取り除き、繁殖のスピードを下げる様にしましょう。
高湿度は人間にも部屋にも良くない
湿度が高いと、人間は熱中症などの病気にかかってしまうことがあるようですね。
気温が高くなくても、じめじめとした部屋にいる場合は熱中症などの病気に気をつけましょう。
また、高湿度はお布団や畳にカビが発生する原因になります。
晴れた日には換気を行い、カビの発生を防ぐことが大切ですね。