日本で寝具といえばお布団ですが、畳の部屋にお布団を敷いて寝ている方は、少数派だということをご存知でしょうか。
生活環境の変化により、今の日本人の過半数の方がベッドを利用されています。
そうなると、どのメーカーのベッドが売れているのか、興味がわくのではないでしょうか。
そこで、ここでは日本におけるベッドのシェアについてお伝えします。
日本のベッドの普及状況
全日本ベッド工業会の資料では、日本のベッドの普及率は、2005年時点で60.1%に達しています。
そして、その後もベッドの普及率は増えている状況です。
かつての日本では一般的だった平屋の日本家屋が、ツーバイフォーの住宅に変わり、高層マンションやワンルームのアパートに住む人が増えました。
このように日本の家屋では畳を敷いた和室の部屋が減り、フローリングの部屋が増えたことで、ベッドで寝る人が増えています。
また、子供のころからベッドに寝ているので、大人になってもベッドで寝るのが当然、と考える人々も増えています。
このようなベッドの普及の理由は、日本における生活環境の変化が挙げられます。
さらに、以前は和室の畳にお布団を敷いて寝ていた方の中でも、介護が必要になったりベッドの良さを認識するなどして、ベッドで寝る方がまだまだ増える状況です。
そのため、今後もベッドの普及率が上昇していくと予想されています。
そして、このベッドの需要に答えるため大手ベッドメーカーを中心にシェア争いを行っています。
日本の家庭用ベッドのシェア
かつての日本の家やアパートの部屋は、ベッドを使うには狭いことから、ほとんどの方はお布団を使って寝ていました。
そのため、外国製の大きなベッドが使えるご家庭は限られていました。
そのような時代だった1956年に、今では日本のベッドのトップメーカーとなっているフランスベッドは、ソファベッドをヒットさせました。
このソファベッドは、夜はベッドとして使い、昼はソファとしても使えます。
そのため、狭い日本家屋でも使い易いベッドでした。
いまでも、日本の狭い部屋でも使えるシングルサイズのベッドが、若い人を中心に人気です。
それでも最近は、住宅環境の変化で、より大きなセミダブルのベッドの売り上げも増えています。
とはいえ、最近は商店街の中に家具屋さんを見かけなくなりました。
家具を購入しようと思ったら、ニトリや無印良品など郊外の大規模店に行く方が多いのではないでしょうか。
このように、お店のベッドは、大手ベッドメーカー製の他に、ニトリや無印良品で製造されたベッドもあります。
加えて、品質が良く、さらに割安感もあるので、年々シェアが増えています。
家庭用ベッドのトップメーカー
日本の家庭用ベッドのシェアのトップは、フランスベッドです。
このフランスベッドは、東京都三鷹市で創業した国産メーカーで、前出のソファベッドの人気により、国内トップのベッドメーカーに成長しました。
そして、フランスベッドの特徴は、硬めのマットレスです。
そのため、長年畳にお布団を敷いて寝ていた方でも、違和感なくベッドで眠れます。
また、ベッドの寝心地は、マットレスのスプリングによって決まります。
フランスベッドでは、このスプリングに独自の技術を持っており、身体にぴったりフィットします。
この点もフランスベッドをおすすめしたい理由です。
なお、マットレスの寝心地は、人によって感じ方が違います。
中には、フランスベッドのマットよりも、もっと柔らかいのが良いと感じる方もいるでしょう。
フランスベッドに限らず、大手ベッドメーカーでは、マットレスのスプリングにそれぞれ独自の技術を持っています。
横になってみて、身体にピッタリだと感じられるマットレスを選んでください。
日本の介護用ベッドのシェア
一般家庭におけるベッドの普及は年々高まっていますが、ベッドを使っているのは、若い人ばかりではありません。
例えば、介護が必要な方は、ほぼ全員がベッドを使っています。
介護が必要な方のお世話は、大変な作業です。
しかし、今の介護用ベッドは、いろいろな工夫がされているので世話をする方にとっても、世話される方にとっても便利なものです。
今では、介護が必要な方がいる場合、介護ベッド無しのお世話は考えられません。
また、こういった介護が必要な方は、年々増えているのが現状です。
そのため、日本でベッドを販売している大手メーカーでは、介護用ベッドの販売に力を入れています。
とはいえ、介護用ベッドは、介護される方が亡くなると、短期間で不要になることもあります。
このことから、大手メーカーでは、介護用ベッドのレンタルにも力を入れています。
また、介護用ベッドのシェアといえば、販売数の他にレンタル契約数も合わせて考慮する必要があります。
そして、大手メーカーは、介護用ベッドについてもシェア争いを行っています。
介護用ベッドのトップメーカー
日本国内の介護用ベッドと衣料用ベッドのトップメーカーは、パラマウントベッドです。
実に、7割のシェアを持っており、世界でも2位のシェアを持つ国際企業です。
このようなパラマウントベッドですが、東京で創業した国産メーカーで、1987年からパラマウントベッドの名称を使っています。
介護用ベッドの特徴の1つは、モーターの力でベッドの一部が持ち上がることで、介護が必要な方でも楽に体を起こせる機能が付いている点です。
パラマウントベッドでは、特殊な構造のベッド床を作ることで、体のラインにフィットし、楽に体起き上がれる機能を実現しました。
高齢化社会を迎え、今後も介護用ベッドの需要は続くと予想されています。
そのため、介護用ベッドには他のメーカーも参入しており、より使い易いベッドが各メーカーから提案されています。
今注目のSPA企業のシェア
最近は、家具を買うと言えば、郊外に大きな店舗を展開するニトリを訪れる方も多いでしょう。
こういった、自社ブランドの製品を主力とし、製造と小売りを同時に行う企業を、一般的にSPA企業と呼びます。
SPAとは「Specialty store retailer of Private label Apparel」の略で、アパレルのユニクロや、家具のニトリが有名です。
流通にかかる経費を圧縮することで単価を下げ、自社ブランドの製品で品揃えすることで他の店と区別するのが特徴です。
また、こういったお店のベッドは、外国で作られていますが、日本向けに企画された商品のため、日本人に合ったベッドなので安くても安心して使えます。
そして、ベッドの売り上げに注目すれば、ニトリと無印良品の売り上げは1位と2位で、大きなシェアを占めています。
特に、若い人向けの安価なベッドに関して、この2社が他を圧倒しているのが現状です。
さらに、ニトリや無印良品のシングルベッドは、大手ベッドメーカーの製品に負けていません。
また、ニトリにはフランスベッド製のベッドも置いてあるので、お店で比較して選ぶこともできます。
日本では国産ベッドのシェアが高い
今では、日本にいても、アメリカのベッドメーカーの1つで、ホテルなどで見かけるシモンズ製の高級ベッドなどを購入できます。
しかし、日本での売り上げは、国産のフランスベッドが大きなシェアを持っています。
また、価格の安いニトリ製のベッドも若い人には人気があり、シェアを伸ばしています。
ベッドは、毎日、長時間利用する家具です。
もし、新しく購入するのなら、良いものを選びたいものです。
その点、シェアの大きなメーカー製のベッドは、それだけ多くの方に支持されていることを意味しています。
ぜひ、ベッドを選ぶ際の参考にしてください。