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らくらく上下する椅子は油圧式が安全?その仕組みに迫る!

2018.5.2

レバーを上げ下げすると「シュッ」と、かっこよく自分の高さに合わせることができる昇降式の椅子。

お子さんの勉強机やパソコンの椅子として、よく使われています。

この椅子の種類は、「ガス式」と「油圧式」の2種類があります。

過去に「ガス式」の椅子が原因で、火災が起こったこともありましたが、反対に「油圧式」は安全なのでしょうか?

安全に使うためにも、便利で快適なこの椅子の仕組みを知っておきましょう。

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油圧式の椅子ってこんな椅子

自由に高さが調節できる椅子は、使い勝手がよく、座りごこちもいいものです。

油圧式の椅子は、今から約100年以上前に、エルンスト・コーケンが油圧式椅子を製作し、操作棒と含めて特許を取ったという歴史があります。

その後、バーバーチェアと呼ばれ、美容室や理容室には欠かせない存在になりました。

そして、作業に合った調度よい高さに調節できるという仕組みが便利であり、近代にはさらに進化し、学習机やパソコン、オフィスなどに使われるようになったそうです。

その快適さゆえ、背もたれに「だら~っ」としてゆらゆらしてみたり、意味もなく左右に揺れてみたり、ドラマのやり手サラリーマンのように「ドサッ」と乱暴に座ってしまいがちです。

思い出してみると、オフィスなどで随分、乱暴な扱いをされているのではないでしょうか。

実は、このような使い方をしていると、椅子の寿命を縮めてしまいます。

油圧式の椅子は、普通の椅子の使い方をしていれば半永久的に使うことはできます。

おおよそ3年から長くて30年は、使える優れものなのです。

油圧式の椅子の仕組み①

では、「油圧式」とはどのような仕組みなのでしょうか。

私たちの生活には、椅子に関わらず、この「油圧」が使われているものがたくさんあります。

たとえば、自動車のジャッキや油圧ショベルなどがそうです。

閉ざされた空間の中に、油を閉じ込め、その圧力を離れた場所に伝えて力をコントロールすると、人間の何倍もの働きをさせることができる技術のことを「油圧」と言います。

油圧の場合は油を、水圧は水を、空気なら空圧と言い、それぞれを封じ込めた圧力をうまく利用したものなのです。

この原理は学校の教科書で習った「パスカルの原理」から成り立っています。

これは、「人間は考える葦である」と言ったフランスの哲学者、パスカルが発見し、密閉した容器内にある流体の一部に圧力を加えると、圧力は流体全体に伝わるという原理です。

つまり、小さな力でも大きな力を得ることができるわけです。

この仕組みは、すべての液圧技術の基にもなっています。

これを聞いて、もっと物理の授業で寝ていた人も少しづつ、理解してきたのではないでしょうか。

油圧式の椅子の仕組み②

この辺で、物理が苦手な人も「なんで油なの?水でもいいのでは?」と疑問に感じることでしょう。

結果的に、圧力がうまく伝わればいいのですから、油以外でも成り立つような気がします。

しかし、水を使ってしまうと、部品に使われる金属に影響を与えてしまうからなのです。

鉄と一緒にしてしまうと錆びが、銅と一緒にしてしまうと緑青が発生させてしまいます。

そして、パッキンなどに使われるゴム製品の劣化にもつながってしまうのです。

また、水には粘度が低く漏れやすいのです。

このようなことから、適した油が使われるのです。

油圧の仕組みを利用した椅子は、レバーを操作することで、椅子の下にある小さな油圧ジャッキのレバーを持ち上げ、ポンプが引き上げられて、タンク内のオイルがポンプの中に入り込みます。

そして、一定の油を吸い込んだ後、内部のピストンを押し上げて油を吐き出します。

ポンプ内の油は、シリンダー内へ流れ込み、この時に起こる圧力で椅子を上昇させることができるのです。

椅子を下げる時は、レバー操作も反対になり、シリンダー内にあった油は元にあったタンクの中に戻るため、圧力はなくなります。

油圧式の椅子の弱点とは?

このように油圧の力を利用した椅子の仕組みは理解できましたが、便利なものには欠点もあるのです。

それは、油漏れです。

パッキンの役目のゴムが長い間の使用で、ゴム部分が硬化して油漏れが生じてしまいます。

パッキンが劣化したり油が漏れると、本来の油圧の仕組みが成り立たず、圧力が不安定になり、誰も座っていない状態だと自然に椅子の高さが上がったりします。

また、難燃性の油が使われていると言っても、火災の心配もあります。

もし、油が漏れていたなら拭き取りましょう。

そして、油の漏れている場所をティッシュなどで覆い、テープで固定させます。

たくさん出ている時には、椅子の下にも新聞紙などでガードしておいてもいいでしょう。

このような油漏れの原因は、パッキンの経年劣化によるものなので、取り替えれば再度使えそうに思えますが、パッキンの交換はできません。

なぜなら、椅子の油圧シリンダーは、製品になった組み立て後の分解は、ほとんどできないのです。

あきらめて、買い替えるしかありません。

ガス圧式の椅子の仕組み

買い替えるとするなら、もう一度油圧式の椅子かガス式の椅子にするか、迷ってしまいそうです。

今まで使ったことのなかった、ガス圧式の椅子を検討してもいいかもしれません。

最近の学習机やパソコンの椅子、オフィスの椅子は、ガスの圧力を利用した、ガス圧式の椅子がメインのようです。

その仕組みは、椅子の座面下にガスを充填した金属製のシリンダーが、取り付けられています。

外側にあるレバーを動かすことによって、シリンダーの中の弁が開き、ガスが移動し、それと同時にピストンも移動して発生した圧力で、椅子の高さを上げることができる仕組みです。

経年劣化が進むと、シリンダー内のガスが少しづつ抜けてきます。

油圧式の椅子の修理はほとんど不可能ですが、このガス圧式の椅子はガスシリンダーを交換することができます。

ネット通販でも、2000円から3000円程度で手に入ります。

しかし、グレードの高いガス圧式椅子のシリンダーは、10000円以上の高額のものもあるようです。

油圧式とガス圧式の椅子、どっちがいいの?

このように、自分でもガスシリンダーの交換ができるガス圧式の椅子ですが、危険を伴うこともあるのです。

それは、ガス爆発を起こす可能性が少なからずあるということです。

過去、中国で起こった爆発事故では、原因が未だ定かではありませんが、近くにあった暖房器具により、ガスが高圧になったことかまたは、製造コストを抑えるために高圧のガスを使用していたということが、原因として考えられています。

日本製のガス圧式の椅子には、爆発の危険性のない窒素ガスが使用されていますが、事故が起こる可能性がゼロではありません。

しかし、もしガス圧式の椅子を使用するならば、暖房器具を椅子の近くに置かない方がいいでしょう。

こんな危険なガス圧式の椅子なら、油圧式の椅子の方が安全なのではないかと感じます。

けれども、油圧式は寿命が長く、長期にわたって使うことができます。

反対にガス圧式の寿命は、5年から10年と短いのですが、椅子の高さ調節ができる仕組みに欠かせないシリンダーを、自分で替えることができます。

そして、経年劣化は使っていれば、いつかは訪れるものなので、どちらも同じです。

椅子の仕組みを知っておくと便利

椅子は座った時に、私たちの体を支えてくれる大事な補助具ですから、長くお付き合いしたいですね。

もし、1つの椅子を長期で使いたいのなら比較的、安全性も高い油圧式がおすすめです。

また、購入コストを抑えたいのなら、ガス圧式の椅子にしてみてはいかがでしょうか。

いずれにしても、その椅子の仕組みを少しでも知っておくと、不測のトラブルにも対応できるはずです。

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