ミシンの水平釜がカギを握る!突然のガタガタ異音の正体とは

みなさんは、ミシンを縫い進めている最中に、突然の『ガタガタ』という異音に、戸惑ってしまった経験はありませんか?

原因が『水平釜』にあることは何となくわかっていても、実際のところ、「水平釜については良く知らない」という方は意外に多いかもしれません。

今回は、そんなミシンビギナーのみなさん向けに、『水平釜』とその関連部品について理解していくと共に、トラブル時の対処法についてもご紹介していきます。

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『水平釜』を簡単に知ろう!

まずは、ミシンにおける『釜』とは何かを知っていきましょう。

ミシンでは、上糸のループに下糸を通す働きをする部品のことを『釜』といいます。
そして、『水平釜』とは、この『釜』がミシンに対して水平にセットされていることを指します。

水平釜のメリットは、糸がらみが少なく、下糸の調整を必要としない点や、垂直釜と比べて音が静かである、といった点です。

また、釜の中にホコリや糸くずが溜まってしまった場合も、水平釜ですと掃除がしやすい、といった利点もあります。

他にも、ボビンの装着も簡単で、下糸の残量も見えるため、ミシンビギナーにはまさにぴったりだといえます。

ただ、このボビンについて1つ注意点があります。

家庭用ミシンの水平釜のボビンには、大きく3つの種類があります。

ミシンに合った種類のボビンを使用しないと、縫い目がガタガタになって絡まったり、ミシンの異音や動かなくなってしまう原因となりますので、新たにボビンを買い足す時は、必ず付属のボビンや取扱説明書を確認しましょう。

水平釜の中を見てみよう!内釜の状態と糸絡みの関係性

では、この水平釜の中がどういう状態になると、トラブルが起きてしまうのか見ていきましょう。

釜は、『外釜』、『内釜』、『ボビンケース』、『ボビン』に分かれています。
この中から、ボビンケースをセットする『内釜』を確認します。

不具合の出たミシンから内釜を取り外してみると、所々に針による引っかき傷や針が貫通した穴が見られる場合があります。

この傷や穴に糸が引っ掛かり、絡まってしまうのです。

対処法としては、細かい目の紙やすりで優しくこすって、傷を滑らかにしたり、ボビンケースの交換などになります。

水平釜タイプのミシンは、普段ボビンケースの取り外しをしなくていいので、このように内釜を取り出しての作業は、ビギナーには少し勇気がいるかもしれません。

ですが、研磨することで、ガタガタという異音はある程度押さえられます。

交換を考える前に、一度挑戦してほしいメンテナンスの1つです。

ミシンの上糸は正しく掛けている『つもり』が落とし穴。再確認を!

では、内釜が上記のような状態になるまでの原因として、どのようなことが考えられるのでしょうか。

まずは、基本的な要因、上糸が正しく掛けられていないパターンです。

布の裏側で糸が絡まったり、縫い始めすぐに、ミシンがガタガタと音を立て進まなくなり、どうやら水平釜のあたりで糸が絡まっている、と感じたことはありませんか?

これは、上糸のセットの仕方が正しくないために起きる現象です。

この状態で縫うと、生地を貫通した上糸を引き上げることが出来ないため、内釜の中に上糸が溜まり、ぐちゃぐちゃになって絡んでしまいます。

対処法は、絡まった箇所にハサミを入れ、無理なく切り離すことです。

次に、水平釜の針板カバーを外し、内釜周辺の糸くずを取り除きます。
そして、順序を確認しながら上糸を再度掛け直しましょう。

その際の注意点は2つです。

① 押さえレバーを上げる
② 針を上に上げる

この2点が正しく行われていないと、上糸を正しく掛けることができないので、事前にしっかりと確認しておきましょう。

そして、天秤部には必ず右から左にしっかりと掛けて下さい。

内釜の傷や変形による糸の絡みは、この上糸の掛け間違いがとても大きな要因となっています。

水平釜タイプの糸調子は上糸だけでOK、ミシンのガタガタを防ぐ!

続いても、ミシンがガタガタと音を立て、内釜が上記のような状態となってしまう基本的な要因をお伝えしていきます。

それは、糸調子です。

この糸調子が合っていないと、糸絡みなどによって内釜が傷つき、ミシンが止まってしまうこともあります。

糸調子とは、上糸と下糸のバランスを取ることをいいますが、水平釜タイプのミシンでは、上糸で調子を取るので下糸を触る必要はありません。

ですが、一言にバランスを取るといっても、糸の張り具合だけでなく、布地との相性や上糸と下糸で糸の太さや種類が違う場合など、状況に合わせてその都度調子を取ることになります。

考え始めると難しいので、まずは試し縫いをしてみましょう。
その際、実際の縫い目の状態を見て判断していけば問題ありません。

布地の裏側にループ状の縫い目が出ているなど、裏側に上糸が見えている時は、上糸が緩いために起きる現象です。

上糸の糸調子を強くしましょう。

反対に、表側に下糸が見えている場合は、上糸の調子が強い状態ですので、少しずつ糸調子を弱くしていきましょう。

このように、水平釜タイプのミシンでは、上糸の糸調子を合わせていくだけなので、ビギナーのみなさんも挑戦しやすいですね。

ミシンがガタガタしたらハサミ!水平釜で対処も簡単!

ここからは、上記のような基本的要因以外の、その他の例についてご紹介します。

布地にはいろんな厚みや素材のものがありますよね。
その中でも、薄い生地や柔らかい布地を扱うと、なかなか布が進まず上手く縫えないことがあります。

その結果、食い込みによって絡まってしまう、というパターンです。

さらに、ビギナーの方は、このような時、つい焦って布や糸を引っ張ってしまうことも少なくありません。
その際に、引っ張られることでボビンケースが回ってしまいます。

これは、不自然で無理な力が加わって回っている状態なので、当然ミシンに負担をかけます。
その際に、ボビンケースの周りに傷が付いたり、内釜の周りの変形といったことが起きてしまうのです。

薄い生地などの場合だけではなく、少しでも違和感を感じたら、無理には引っ張らず、まずはミシンを止めましょう。

水平釜タイプのミシンはボビンの状態が良く見えるので、ガタガタ異音がしても、落ち着いて絡んだ部分をハサミで切って外せば大丈夫ですよ。

もうガタガタさせない!ミシンを良い状態で長く使うための心掛け

これまでご紹介してきた通り、ミシンがガタガタして止まってしまうのは、糸絡みが原因となるケースが多くあります。

しかし、これが使っている人の何気ない癖が原因となるとしたらどうでしょうか。

そうならないために、ここでは、ミシンに負担をかけない正しい使い方のポイントをご紹介します。

まずは、みなさんが縫い終わった時の動作を1つ1つ思い浮かべてみてください。
針を布から上げる際、どの辺りまで上げていますか?

正しい使い方としては、『針を最上位まで上げる』です。
また、針だけを見るのではなく、天秤が一番上まで上がっていることも一緒に確認しましょう。

この状態で初めて、糸が釜から抜けきるのです。

そして、プーリーは『手前に回す』です。
奥に回しても針は上下しますが、奥に回すということは、ボビンも逆方向に回るということになるのです。

最後に、布を引き抜く時は手前からではなく、奥から引き抜くようにしましょう。

このような小さな動き1つ1つが、水平釜の中での糸絡みの原因を作り、ミシンの不具合に繋がることになります。

ご自分の普段の使い方と比べていかがでしたでしょうか。

普段からミシンを正しく使い、トラブルの少ないミシンライフを手にしましょう。

ミシンを知ることがトラブルに強くなる近道!

ミシンが異音を出し動かなくなると、慣れないうちは戸惑いますよね。
また、そんなことが何回も続けば、せっかくの意欲も失われてしまいます。

そんな時は、まず、今回ご紹介した箇所を丁寧に確認してみて下さい。

落ち着いて対処すれば、すぐに直る場合もあります。

仮に、その他の原因であったとしても、ミシンを良く観察し、少しずつ触る範囲を広げていくことで、よりミシンとの距離が近くなり、解消法を見つけ出せるかもしれません。

このように、トラブルを通してミシンのスキルアップをしていけたら理想的ではないでしょうか。

同時に、不要なトラブルは起こさないように、ミシンの使い方を正しく知ることも心掛けてみてください。